きみは知らないほうがいい (文研じゅべにーる)

著者 :
  • 文研出版
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784580822320

感想・レビュー・書評

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  • 重たい。読んでいて子供を小学校に通わせるのが怖くなりました。
    軽い気持ちで発せられる、からかいや悪口、クスクス笑い、などなど。する側から見れば大したことないと思えるようなことでも、当事者にとっては逃げ場のない教室の中で攻撃されるようなもの。子供には学校に行かないと他に行ける所がない、というおばあちゃんの台詞に納得。学校怖い。

  • 学校で浮きがちな小学校年生の米利。バス停で会った同級生の昼間くんのことが気になって駅に行ったら、彼は駅の地下道で自由人(ホームレス?)のクニさんと一緒に座っていた……。

    些細なことがきっかけになって起こる人間関係の摩擦(いじめ?)に対する思春期の葛藤と成長を描く???


    正直言って抽象的なゆらいだ心理描写が多くてとてもわかりにくかった。
    これを高学年の子は共感しながら読めるのだろうか?

  • 産経児童出版文化賞受賞作品。生きづらい子ども、いじめ、寄り添うわんこ。『そのぬくもりはきえない』に似ています。小学生は「美術」でなく「図工」では?『なみだひっこんでろ』同様、個人的に岩瀬さん作品は苦手。痛いところを突かれるからなんだろうな。些細なこと?をずっと気にしたり、かしこい子ほ苦労するとおばあちゃんに言われて喜んだり…そんな米利の気持ち、わかってしまう。確かに、子どもよりも大人の方が生きやすい。優等生な大人ばかりじゃないのがこの作品の魅力。長谷川集平さんの装画はアウトロー感満載で流石!

  • 参りました。まず題名から引き込まれてしまいました。表紙といい、裏表紙の絵も、こんなのでいいの?と言う感じがしました。よくぞ描いて頂いたな、と。やっぱり心が強くないと生きて行けない世の中なのだ、と。また長谷川集平さんの絵がこの本の内容をよ〜く表現されていていると思いました。

  • ふむ

  • いじめ、学校、思春期の始まりについて書いた本は山ほどあるけど、この本は…なんというか、すごい。
    絵もタイトルも、そして気持ちの描写が、え?これ、あり?って思いながら読んだ。

  • 子供のあやうい世界
    子供の現実

  • どっしりと重たい内容

    6年生米利ちゃんは同じクラスの転校生昼間くんと路上にいるクニさんと交流する。
    同級生とうまくいかず、5年生のときは学校を休んでいた米利ちゃん
    6年生では、昼間くんも米利ちゃんも男子にからかわれたり。

    小学生の頃のなんとも逃げ場のない日々を思い出した。学校やクラスっていうのがすべてな感じにどうしてもなってしまう。でも、それぞれ家ではそことは違う世界もあって。
    そして、そのなんとも言えない、言葉ではうまく表すのは難しい感じや感情が文章になっていた。

  • 思春期の子どもたちの心の中のモヤモヤが繊細に深く書かれていた。いじめている方もいじめられている方も立場は違っても抱えているという事実は同じ。それとどう付き合っていくか、どう消化していかは人それぞれだが。この年頃の子どもたちはそういうことと戦っているんだということを肝に銘じておきたい。

  • ひさしぶりに息苦しくなるような本を読んだ気がする。読んでいるうちに自分の小学校、中学校時代の嫌なことばかり思い出す本。自分が加害者だった時間の記憶もあるので、えらそうなことは言えないが、やっぱり日本の学校って救いようがないほど病んでいると思う。そこで死なずにすんで、生き残った自分を恥じないといけないくらい、仕組みとしての問題は大きい。栗原彬さんがどこかで書いていたように「受験戦争」というのはメタファーでなくて、実態そのものである。人がつぎつぎに倒れ、殺される。ともあれ、良い本でした。安易な解決も示してないところもまじめで良いと思った。

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著者プロフィール

1950年、山口県生まれ。
『朝はだんだん見えてくる』で日本児童文学者協会新人賞、『「うそじゃないよ」と谷川くんはいった』で小学館文学賞と産経児童出版文化賞、『ステゴザウルス』と『迷い鳥とぶ』の2作で路傍の石文学賞、『そのぬくもりはきえない』で日本児童文学者協会賞、『あたらしい子がきて』で野間児童文芸賞、『きみは知らないほうがいい』で産経児童出版文化賞大賞、『もうひとつの曲がり角』で坪田譲治文学賞を受賞。そのほかの作品に、『まつりちゃん』『ピース・ヴィレッジ』『地図を広げて』『わたしのあのこあのこのわたし』『ひみつの犬』などがある。

「2023年 『真昼のユウレイたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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