- Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582541342
作品紹介・あらすじ
ダーウィン先生は、22歳のとき、イギリスから大西洋、南アメリカ大陸、太平洋、インド洋をまわる大冒険旅行に出発した。そのときにのった船が、ビーグル号。ダーウィン先生は、5年間にわたるおもしろい体験を『ビーグル号航海記』という本にあらわした。本書は、この航海記をあたらしく翻訳したものである。
感想・レビュー・書評
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ダーウィン、ガラパゴス諸島懐かしいなぁ❣️
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(2010.06.16読了)(2010.06.09借入)
「ビーグル号航海記」第4巻です。アンデス山脈に分け入ったり、ペルーでインカ帝国の遺跡を見たりした後、ガラパゴスへ渡ります。そしてタヒチへ。
第15章、コンセプシオンからメンドーサへ
アンデス高地で希薄な空気や信じられないほどの乾燥を体験します。
第16章、バルパライソからカヤオへ
ペルー各地を歩き回り、古代インカの遺跡を見たり、ペルーの風土を見たりしています。
第17章、ペルーからガラパゴスへ
ダーウィンが進化論を思つくきっかけになったと言われるガラパゴスの話です。ダーウィンは、ガラパゴス諸島の動物を長年見てきた人に言われるまで、ゾウガメが島ごとに形が違うなどということは気がつかなかったようです。
第18章、ガラパゴスからタヒチへ
後に、ゴーギャンが訪れたことで有名になったタヒチ島の話です。
●高地(34頁)
私たちが一夜を過ごした場所では、大気圧が低くなっているせいで、水が低地よりもずっと低温で十分に沸騰した。だから沸騰した湯の中にじゃがいもを何時間入れておいても、全然柔らかくならなかった。
●乾燥(38頁)
どれほど乾燥しているかは、木でできた道具類が以上にちぢんでしまったことや、パンや砂糖など食品類がカチカチになってしまったことからも、よく理解できるだろう。又、道端に倒れた獣の死骸の皮や肉の一部が、腐りもせずに保存されていることからも、乾燥ぶりはよくわかる。
●イギリス海賊(73頁)
住民たちは現在に至るまで、海賊が犯した残虐行為を噂し合っている。特によく噂に上るのが、聖母像を奪っていったイギリス人で、この男は一年後にまた戻ってきて聖ヨセフ像をも奪っていった。理由は、聖母が夫を持てないのは気の毒だから、というのだった。
●灌漑用水(111頁)
ペルー人は本当に、硬い岩の丘を掘り抜いてトンネルを作り、灌漑用水を引いているのだ。鉄と火薬を使わず達成した土木工事の内では、一番素晴らしいものではないだろうか?
●ペルーの混乱(128頁)
南アメリカにある国々のうち、ペルーほどに、独立を宣言した後も無政府状態の混乱に悩み続けた国は、見当たらない。わたしたちが停泊した当時、軍事力を背景にした四人の将軍が長の座を争っていた。誰かが多少とも力を蓄えると、残りの三人が連合してこれに対抗する。その癖、相手をへこませた後は、三人がじきに敵対し始めるのだ。
●ウミイグアナ(182頁)
私は数頭の胃を切開したが、内容物はほとんどすりつぶされた海藻で、鮮緑色あるいは暗赤色の薄い葉を伸ばして生長する種類だ。しかしこの海藻が潮だまりに茂っているところを観察した覚えはない。それで、私としてはこの海藻は岸から少し離れた海の底に生えるものだと思う。そうであるなら、この動物たちがしばしば海に入る目的が、はっきりする。
●ゾウガメ(200頁)
それぞれの島にはかなりの範囲に渡って、それぞれ別の生物構成が見られる。副総督ローロン氏に教えられてはじめて私も気づいたのだけれど、各島にはそれぞれ別のゾウガメがおり、ローソン氏などは、カメを見ただけでどの島に住んでいた個体か区別がつくというのだ。わたしは氏の話に注意を払わなかった。だから二つの島で採ったカメを一部分一緒に混ぜてしまっていた。
●タヒチの人(224頁)
私は何よりもここの人々に好意をもった。この人たちの表情には、野蛮という偏見を即座に消し飛ばしてしまうような優しさがある。また、文明を身につけつつある知性の輝きが、ある。彼らは背がとても高く、肩幅が広く、運動能力が高く、体のプロポーションも見事だ。
(2010年6月19日・記)