エゴン・シーレ: 二重の自画像 (平凡社ライブラリー さ 5-1)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582762389

作品紹介・あらすじ

ウィーン世紀末に、変貌する都市を彩ったクリムトの装飾美と対照的に、孤独な魂の内面とエロスへの憧憬を極限まで赤裸裸に描き切ったシーレの生涯と作品を共感を込めて追い求めた著者渾身の美術論。

感想・レビュー・書評

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  • クリムトと並んで、世紀末ウィーンの表現主義の代表的な画家とされるシーレの評伝です。

    著者はエゴン・シーレの生い立ちに触れているところで、彼とおなじく兄をうしなうという家庭事情のなかで幼年期を送ったゴッホに言及し、両者の芸術家としての資質に共通するものがあったと論じています。ただしその一方で、ともに自己自身のうちを見つめる孤独な画家であったとはいえ、ゴッホの孤独があまりにも人間的な孤独であったのに対して、シーレの孤独はむしろクールベからセザンヌへと受け継がれたものに近いと語ります。とくに著者は、セザンヌのまなざしが人間としての他者を射抜き他者を「もの」と化する一方、他者のまなざしにさらされる自己が「無」と化してしまうことを熟知した、人間的な孤独からほど遠いものだったと論じ、シーレについてもおなじような見方が成り立つと主張しています。

    そのほか、クリムトやオスカー・ココシュカとの比較や、シーレが愛したヴァリ・ノイツェルとの関係についても、興味深い叙述が見られます。ただし、著者の視点があまりにもシーレやヴァリの内側に入り込んでしまっていることに注意することも必要でしょう。ここにえがかれているのは、あくまで著者のスクリーンに移っているシーレの姿であり、あるいは、シーレがみずからを映し出す鏡としたヴァリの立場に著者自身が身を置くことで見えてくるようなシーレの姿だと考えなければならないように思います。

  • 本の表紙を描いているうちに
    自分はどんな絵が好きなのか?、それはエゴンシーレ。
    大学一年の時クラスでシーレについて発表したしね。
    シーレの絵を見返した。
    滑らかな曲線でない、輪郭線がヒリヒリしてる。
    肌が錆びたように青く緑色だ。

    この本は、途中まで読んだ。 画家になるってとこまで。

    父親アドルフの狂ったのちの死 が強く影響したらしい。

    私がグッとくる絵は、ルノワールやモネではない。

    こういう絵を描いた人に興味があるのか?

    現代美術ではない。

    野毛の図書館で昼頃までこの本読んで
    午後は東京藝術大学美術館に博士 卒論展に行った。

    主に作品ではなく文章を読んだ。
    場所と人のあいだ ってとこにいた。
    じっくり読んだけど、誰も全文読んでなかったからたぶん多数は通り過ぎているだけ。
    何が分かるんだよ。

  • ウィーン世紀末に、変貌する都市を彩ったクリムトの装飾美と対照的に、孤独な魂の内面とエロスへの憧憬を極限まで赤裸裸に描き切ったシーレの生涯と作品を共感を込めて追い求めた著者渾身の美術論。

  • う な さ れ た 。

  • \105

  • これの初版本欲しい。

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