絵本をよんでみる (平凡社ライブラリー 300)

  • 平凡社
4.09
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582763003

作品紹介・あらすじ

五味さんを絵本好きにしたにちがいない13冊の絵本の、音読、読解、そして快楽。

感想・レビュー・書評

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  • こんな解釈の仕方があったとは!
    の連続♪

  • 絵本の解体本。
     読んでみると、絵本って面白そうだと思わせる。
     なかなかの毒。無夜はこういうの好きだ。
     湿っぽい友情とか、読者を意識した孤独ごっことか容赦のない批評が続く。
     全体に漂う寂しさとか。
     これを読むと、その本が読みたくなる。
     ほかにも例を挙げていろんな本が登場する。
     読書幅を広げるにはいいんじゃないかな。  

  • 五味太郎氏がいくつかの絵本・児童書を深読みするエッセイ。
    大御所なので、というか、五味さんのキャラクターからか、かなり上から目線なのだけど、まず、うさこちゃんをこんなに深読みできるんだ!というのに感銘。
    自分が読んだことのある作品の部分だけの拾い読みだけど、自分では気づかないような視点の読み方がとても面白かった。

  • 絵本をよむ、というのはどういうことか。
    絵が多くて活字が少ないからさっさと目を通そうと思えばできるけど、そうではなく、いかに豊かに読むか、という積極的な探索のようだ。
    五味太郎の読みはすごい。なぜ『うさこちゃんとうみ』がさびしいのか、といったあまり明確には意識化していなかったことに焦点を当てた読み解きが始まる。絵本は生理に結び付いているという指摘はその通りで、だからこそウッ、って読めないときがあるのだと納得する。
    最後の雑記はもはや対談として成り立っておらず、絵本をめぐるアフォリズムのようになってきている。絵本は子どもに読ませるにはもったいない、とまで言われたら大人ももっとよんでみたいと思う。

  • 絵本を読んでみる

    みる、という表現の奥深さにうなる。

    ブルーナ、もういちどよみたい。

  • 解説の江國が言うとおり、語尾の感じがすこぶるいい。たしかにシャープだ。ここまで絵本をよんでみたことは私にはないぞ。あーだ、こーだ、と描かれていないものに想像をいたすのだが、それが私になるほどの連続を巻き起こす。

    ・絵本て、基本的に翻訳の「誤差」に耐えられるじゃないかと思っている
    ・すべての子どもに30÷5をわからせたい、跳び箱を跳べるようにしてやりたいという、教育的熱意というやつはいったい何なんだろう。それでいて、個性の尊重もへちまもないよ。
    ・どのメディアについても言えるけど、そのメディアじゃないと表現できないというのが頂点だと思う。それが『キャベツくん』
    ・残酷ではないから、残酷なことが描ける。病的ではないから、病的なことが描ける。社会的に成熟している人だからこそ、反社会的なことが描ける。
    ・絵本を読むと言うことは、絵を出発点としてどれくらいイメージを生むことができるのか。逆に豊かにイメージが生まれていく絵というのは、読者に対して多大な力を持っている。
    ・「ふり」というのは、いつも現実と個人の間のギャップを埋めるテクニック。
    ・絵本を読んで、よかった、おもしろかった、ためになった、はあるけど、幸せになったはなかなかない。
    ・わかる、わからないを問わないことがアートの世界の大きな魅力。
    ・気楽に一人でやっていた時はできたのに、先生が現れたとたんに、絵が面白くなくなることは実感もデータもある。
    ・結局、指導する側がするべきことは、最低限、己の欠点を自覚できるようにしてあげること。
    ・良い本なんてない、良い読み方があるばかり。
    ・いい本って、人に薦めたいと思うと同時に、教えたくないって思う心も必ずある。
    ・絵本をよむではダメ。絵本をよんでみるじゃなきゃダメ。

    うさこちゃんとうみ
    よわむしハリー
    キャベツくん
    キスなんてだいきらい
    ふくろうくん
    よあけ
    ふたりはともだち
    キミちゃんとかっぱのはなし
    おっとあぶない
    かいじゅうたちのいるところ
    変なお茶会
    エンソくん きしゃにのる
    どんどん どんどん

  • 対談だけど結構よませる。絵本をめぐる対談。まったく、子供ができるまでは絶対読まなかった類の本ではありますが。ローベルとか読んでみたい。

  • 面白い、続編も読みたい。紹介されてる絵本も読みたい。

  • 図書館の特設コーナーにあった1冊。

    まず、タイトルに惹かれました。「読む」じゃなく「よんでみる」というチョイス。私もよくこういう表現を使うけれど、その裏に「なんかすいません」的な感情を忍ばせている場合が多い。
    まさか天下の五味さんも?と疑いつつ手に取りました。

    読んでみると、五味ワールド全開。
    うん?と首をかしげる暇もなく、グイっと持って行かれます。そうかもしれない、と思わされる。
    また、合の手のように、小野明氏がちょいちょいネタを入れてきて、反論の余地さえ奪っていく感じ。

    あとがきで「よんでみる」にしたワケを、謙虚に語っておられましたが、もう「読んだ」でイイじゃん、と思いました。

    「うさこちゃんとうみ」、もう一度読みなおそう。あんな深読み、出来るかな…。

  • 絵本論

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著者プロフィール

五味太郎 1945年生まれ。工業デザイナーを経て絵本の世界へ。サンケイ児童出版文化賞、東燃ゼネラル児童文化賞、ボローニャ国際絵本原画展などで数多くの賞を受賞。絵本に『きんぎょが にげた』『かぶさん とんだ』『さんぽのしるし』『ばったくん』『みんなうんち』『からだの みなさん』『どこまで ゆくの?』『にているね』(以上、福音館書店)『まどから おくりもの』『仔牛の春』『つくえはつくえ』(以上、偕成社)『かくしたの だあれ』『たべたの だあれ』(ともに文化出版局)『さる・るるる』(絵本館)「らくがき絵本」シリーズ(ブロンズ新社)など多数。絵本論『絵本をよんでみる』(平凡社)、絵本の仕事をまとめた『五味太郎 絵本図録』(青幻舎)がある。

「2023年 『おでかけ版 ひよこは にげます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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