源義経 (平凡社ライブラリー)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582765199

作品紹介・あらすじ

判官びいきの日本人に愛されてきた薄幸の英雄像は、どこまで真実なのか。史実が伝える本当の姿を明らかにし、「悲運の貴公子」義経に対する「悪役」頼朝、梶原景時像を生み出した鎌倉政権の闇にも迫る評伝の名著。

感想・レビュー・書評

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  • 20190709
    『義経記』や『吾妻鏡』等の古典を底本として、世間で思われている義経像の本質に迫った作品。義経の言い伝えや伝説について詳細に書かれているわけではなく、一般的なイメージとの対比で書かれた学術書に近い。挿絵と共に源氏の流れを一通り概況できる。
    一方で義経について、どのような言い伝えがあるのかはもう少し深掘りしたい。兄である頼朝に追われ平泉に落ち延びた義経の話や弁慶の話などネタになるような話はたくさんある。弁慶も合わせて学ぶ意識を持っておく。
    ・八艘飛び
    ・鵯越
    ・弁慶との戦い
    ・壇ノ浦の戦い

    //MEMO//
    平泉に旅行に行くきっかけで、平泉で没したという義経の人生を探ってみる。
    また、同世代の奥州藤原氏のイメージを得たい。

  • タイトルは義経ですが、幅広く奥州藤原氏や鎌倉幕府、源氏の末路等義経の生きた時代戦後のことも幅広く説明してくれます。義経についても、我々が普通に持っているイメージとそうでないものの差や、「伝説」にすぎないことって多いんですね。全体的に資料の写真が多く、それを眺めるだけでもかなり楽しいです。平氏政権云々の書物については、吾妻鏡の引用が多いものですが、この本もそうでありながら、しかし敢えて吾妻鏡からの引用を極力避けているところもあり、それがとても面白いです。吾妻鏡は北条氏の立場(の正当化)で書かれているので、またこれも物事をある一面から切り取っただけものだったなと再確認したと言うか…。義経死後の源氏の行く末は実に悲しいものと言いますか、こちらも栄枯盛衰というのかそれとも因縁というものか…切なさが残ります。

  • 読みやすいし写真、年表などの図版も充実した、手ごろな義経ガイドブック。
    義経以前、以後の源氏もしっかり解説してくれます。

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著者プロフィール

1931年生まれ。1953年京都大学文学部史学科卒。京都大学・龍谷大学・皇學館大学教授を経て、現在、京都大学名誉教授、文学博士。著書に『北条泰時』(吉川弘文館)、『源平の盛衰』(『講談社学術文庫』)、『日本中世政治史研究』(塙書房)、『平家物語の虚構と事実』(塙書房)、『源義経』(『平凡社ライブラリー』)、『人車記』(思文閣出版)、『兵範記』(思文閣出版)、『鎌倉時代政治史研究』(吉川弘文館)、『鎌倉時代―その光と影』(吉川弘文館)、『日本中世国家史論考』(塙書房)、『日本史の快楽』(『角川ソフィア文庫」)、『源平争乱と平家物語』(角川選書)、『壇ノ浦合戦と女人たち』(赤間神宮)、『戦中・戦後三高小史』(三高自昭会)などがある。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「2012年 『赤松俊秀著作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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