書かれる手 (平凡社ライブラリー ほ 11-1)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 83
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582766820

作品紹介・あらすじ

いくつもの奇跡的な出会いが地の底の水脈でつながり、言葉と言葉を、人と人を艶やかな表面で結びつけ、だれも見たことのない深さに変貌させていくような瞬間に遭遇したとしたら、感謝をこめてそれを「文学」と呼んでおきたい-。須賀敦子、長谷川四郎、島尾敏雄、山川方夫…不幸のなかに砂粒のような幸福の輝きを見出す著者の"言葉の魔術"がつむぐ、十二人の作家たちの物語。

感想・レビュー・書評

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  • はるか遠くにあるように思えるひとらの書くものを、こちらへ引き寄せてくれるのはこの人の文章だった、と考える。繋がるのは、糸か、紐か、縄か、鎖か、それは自分次第なのか。

  • 文学全般に全く明るくない私が、見慣れない、聞き慣れないカタカナをたくさん目にするのは、この著者の本を読むときにはよくあること。

    友人の言葉を借りれば
    「睡眠薬代わりに読む本は、その内容よりも言葉のテンポとリズムが大切」なのだとか。

    確かに、内容をわかろうと思って読むよりは、文学好きの話を寝ぼけながら聞いてる感じが気持ち良いです。

  • [ 内容 ]
    いくつもの奇跡的な出会いが地の底の水脈でつながり、言葉と言葉を、人と人を艶やかな表面で結びつけ、だれも見たことのない深さに変貌させていくような瞬間に遭遇したとしたら、感謝をこめてそれを「文学」と呼んでおきたい―。
    須賀敦子、長谷川四郎、島尾敏雄、山川方夫…不幸のなかに砂粒のような幸福の輝きを見出す著者の“言葉の魔術”がつむぐ、十二人の作家たちの物語。

    [ 目次 ]
    書かれる手―マルグリット・ユルスナール論
    幻視された横道―須賀敦子『ユルスナールの靴』をめぐって
    端正なエロス―竹西寛子論
    脱走という方途―長谷川四郎論
    気鬱の子牛線―島尾敏雄論
    フィリップ・マーロウを訪ねたチェスの名人―田中小実昌論
    二人きりの孤独―山川方夫論
    濃密な淡彩―パトリック・モディアノ論のための覚え書き
    芝生の意味するもの―ミラン・クンデラをめぐって
    小さな痛みの音楽―フィリップ・ガレルとマルク・ショロデンコをめぐって
    “形而上的な怪我”からの治癒―金井美恵子『ピクニック、その他の短篇』をめぐって
    肉球的エクリチュール―金井美恵『恋愛太平記』をめぐって
    表面が深さになるとき―平凡社ライブラリー版「あとがき」にかえて

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 2009/11/22購入

  • ユルスナール、須賀敦子、田中小実昌、金井美恵子らの書き手を卓越した読み手である堀江敏幸が読む。引用やジャーゴンで満ちた、賢しらで生硬な読解から離れるためのレッスン。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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