テオもうひとりのゴッホ

  • 平凡社
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本棚登録 : 118
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582833669

感想・レビュー・書評

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  • shakeさんの本棚で本書を知り、図書館にてお借りした一冊です。

    半年ぶりの出張のお共に大阪まで一緒に連れて行きました♪

    往復の新幹線、宿泊先のホテルで読み終える予定だったのですが、2日間の会議と二次会での盛り上がりに疲れ、帰りの新幹線は爆睡^^;

    という訳で予定よりも1日遅れでの読了(もちろん明日が返却日)、ホントいつもギリギリに^^;

    ゴッホを金銭的にも支えた弟・テオの存在は無知な私でも少しだけ知っていましたが、
    「テオ」って誰???って思った(*・・)σアナタ

    そんなあなたは3年前の私と同じです(笑)
    ゴッホを知らない人はいない。
    「ひまわり」や「星月夜」を知らない人もいない。
    。.ꕤ…………………………........................……………..ꕤ.。
    ↑ここに、線があるんです。
    この先をちょっとかじったことがある人にはわかるんですよねー
    「テオ」が誰なのか。

    世界的に有名なゴッホ。
    思い出すなぁ...「ひまわり」「アイリス」を生で見た時の感動と興奮。

    マハさんの作品(「ゴッホのあしあと」「リボルバー」)でゴッホの生涯については少し知っていましたし、ゴッホを語る時にはテオの存在は必然。

    なので、私にはテオについてもほんの少しだけ予備知識がありました。

    本書はそんなテオにフォーカスした作品。
    ゴッホが送ったテオへの手紙はまるで聖遺物のようにテオの手により全てが大切に保管されています。

    未公開98通の書簡も駆使し、ゴッホの手紙を通じもうひとりのファン・ゴッホ、テオの実像を描いた作品。

    万人受けする作品ではないかも知れませんが、私には興味深く読み終えることが出来ました。



    <あらすじ>
    兄ヴィンセント・ヴァン・ゴッホと弟テオの関係を描いた伝記です。未公開書簡を基に、テオの画商としての生涯が明らかにされています。以下は、章ごとの要約です:

    護られた幼年時代 (1857-1870): 兄弟愛と初めての別離。

    犠牲の青年時代 (1871-1878): セント伯父と美術商、ブリュッセルでの希望。

    パリ - 成功への希望 (1878-1883): 兄との断絶、ヴィンセントの模索。

    傷だらけの要求 (1884-1888): 認められたい願望、牧師の死。

    ヨハンナ、その絶対の愛 (1888-1890): 黄色い家、略奪者。

    悲劇の宿命 (1890年5月-1891年1月): 幸福の可能性、不安に取り憑かれて。

    この伝記は、ふたりのゴッホの芸術創造のドラマを浮かび上がらせています。

    ※本書ではヴィンセントと訳されていますので、そのまま引用。
    ↓は私が普段読み書きするならフィンセントなので、そのまま記載します。

    <テオ>
    テオドルス・ファン・ゴッホ(Theodorus van Gogh、1857年5月1日 - 1891年1月25日)は、オランダ出身の画商で、画家フィンセント・ファン・ゴッホの弟です。テオ(Theo)の愛称で知られ、フランスで活動したこともあり、名前はフランス風にテオドール(Théodore)と呼ばれることもあります。

    テオはフィンセントの唯一の理解者で、兄に生活費を援助するなどして支えた人物でした。

    1880年以降、テオが経済的に援助し続けたことで、フィンセントは絵画に専念することが可能になりました。

    フィンセントが亡くなった後、テオは兄の死を嘆き、徐々に衰弱し、翌1891年、ユトレヒトの精神病院で亡くなりました。

    テオはフィンセントの芸術創造のドラマを浮かび上がらせる重要な存在でした。

    • ヒボさん
      なおなおさん、こんばんは♪
      ドラマ「Eye Love You」のテオ君???
      I don't knowʅ(❛ω❜)ʃ
      なおなおさん、こんばんは♪
      ドラマ「Eye Love You」のテオ君???
      I don't knowʅ(❛ω❜)ʃ
      2024/04/06
    • なおなおさん
      失礼しましたっ^^;
      おふざけ、すみませんでした。(*>ㅅ<)՞՞
      でもこのテオくんも人気なんですよ〜。
      失礼しましたっ^^;
      おふざけ、すみませんでした。(*>ㅅ<)՞՞
      でもこのテオくんも人気なんですよ〜。
      2024/04/06
    • ヒボさん
      ユン・テオ!!
      って、やっぱり知らない(・∀・)?

      でも、韓国好きのなおなおさんらしい♪
      ユン・テオ!!
      って、やっぱり知らない(・∀・)?

      でも、韓国好きのなおなおさんらしい♪
      2024/04/06
  • マニアック過ぎる本ですが
    テオ視点からが良き。
    ゴッホファンには、たまらない本。
    テオ、
    あなたがお兄さんを励まし続けてくれたから、
    あなたの優しい穏やかな性格だからこそ支えられたという事。
    あなた自身も背負わされた沢山の重荷の中で、
    お兄さんを信じ続けて時代を先読みして諦めなかった事。
    この本で改めて2人で1人という事を思わせてくれた。
    もっと深読みして行きたい。
    この資料は素晴らしいです。

  • あまりにもつらいが、ふたりの言葉では表せないほどの重い愛、共依存的関係は胸にくるものがある。

    最後テオが狂乱状態にあるなかでもゴッホの名前にだけは反応をしめしたところにもふたりの絆の強さを感じる。

    テオもゴッホのために相当の努力をしてきたが、テオの死後の妻ヨーの頑張りがあってこそ今日のゴッホがあるとおもうので、ヨーは本当に理解力のある素晴らしい女性であり、とても素敵で素晴らしい夫婦だったのだとおもう。
    ヨーが手紙の出版に関わってくれたおかげで兄弟のことも今に伝わることとなったので本当に感謝の念に耐えない。

  •  長い間ゴッホの手紙を手にとっては本棚に戻すことを繰り返していた。重たそうで。
     テオに焦点を当てた内容なら、マシかと読んでみて、もう、お兄ちゃんも弟もとてもかわいそうで溜まらなくなった。

  • 原田マハさん著書「ゴッホのあしあと」
    p58
    「テオの評伝、『テオ-もうひとりのゴッホ』が素晴らしい本で、「いやあ、この弟はすごいわ!」ということに、気づかされました」

    とあってこれは読まないわけにはいかない。となりまして。
    日本訳の文章はわざとらしくて読みにくいものが多いイメージを持っていたけど大丈夫でした。
    冒頭から引き込まれすでに泣きそう。

    原田マハ「たゆたえども沈まず」も並行して再読しているのでとてもヘビー。

    --------
    読了

    みんなも書いている通りあまりにも辛い。
    これを読むと「後世ゴッホはとても有名になるので、テオもヨーも、ヴィンセントも報われるのです。めでたしめでたし」などとは簡単に言えないと思ってしまった。
    生きていて幸せな瞬間はもちろんあっただろうけど、生きている間の報われなさがあまりに辛い。

  • ゴッホの弟の目線で書かれているので、ゴッホ当人が客観的に描かれていて新鮮。世間では多く語られていないことも色々書かれていているので、ゴッホに関する事前知識を得てから読むと内容を深く読めると思う(映画「永遠の門」が一番お手軽?)

  • 壮絶。両親の薫陶により、求めず耐え忍びやり過ごしながら、家族の生活を経済的に支える長い年月に少しずつ病んでいき、最期に破綻してしまうテオが。つらい。兄弟みんな心病んで亡くなるのつらい。兄との純粋な愛情の結びつきが、互いをがんじがらめに縛り付けていく姿は美しくて辛すぎる。

  • p.249
    この世に戦いを持たない者がいるだろうか。

    p.225
    だから理解されるとすれば、後世になってからだろう。

    p.208
    ぼくだけの、たったひとりの

    p.191
    どんなことがあっても、それこそがぼくらの職業なのだから。

    p.179
    アルベール・オーリエの記事

    p.153
    普通の人にはたやすいことが、兄さんには苦しみであり、戦いだった。兄さんがこんな形で休まなければならないのだとしたら

    p.69
    あの子には独特の変わったところがあり、不幸な人たちに本気で同情してしまうのだ。

    p.47
    自然が・・・より神を喚起させるというこいとはないのかと知りたがっているのだ。

    p.7
    メランコリー・・・生まれながらにして普通の人々とは異質につくられた者たち‐人よりも高邁な精神をそなえ、激しい血をたぎらせ、より高みを目指し、突き進む者である。・・・ものを見抜く力に優れ、鋭い感受性をそなえている。人生の愉楽と歓喜を、人々ががさつに両腕で抱きとめるところを、深い心の根で汲み尽くすのである。 イェンス・ペーター・ヤコブセン

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