地上の飯―皿めぐり航海記

著者 :
  • 平凡社
3.65
  • (9)
  • (9)
  • (8)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 184
感想 : 20
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582835588

作品紹介・あらすじ

国境なき食欲、おいしいごはんを求めて東へ西へ。カリブの芋棒、砂漠の芋虫、パンの実と探検隊の缶詰、くじら汁に人食い、修道院のお菓子、フリカケにチョコレート-世界のお皿には人々の記憶と物語がいっぱいつまっている。ドミニカからロシアまで、七つの海を越えて綴られる奇妙奇天烈御馳走奇譚。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『地上の飯』
    素晴らしい。
    世界に存在するおいしいごはんのにおいに誘われて国境を越えてゆく
    こんな風に世界を味わいたい!
    今の世界の状況が好転し、いろんな国のおいしい食べ物に出会えるチャンスが訪れるように願わずにはいられません。
    #読了 #君羅文庫

  • 装丁がきれいなエメラルドブルー、スピンもさわやかスカイブルー、本の佇まいにまず興味を惹かれ。パラパラとチラ見してこれは「おいしそうな本だな」と手に取りまして。

    文体が大変好みだった。読んでいて何か所か「くふくふ」と笑いがもれました。食べ物の描写がとてもいいですね。
    私が大っ嫌いな昆虫ワーストスリーに入るガの幼虫を「食べる」なんて想像するだけで身の毛もよだつのですが、アラ、この方の文章を読んだ後では「何とおいしそうなガの幼虫」とすっかり魅惑されておりました。
    そして出てくる作家さんや小説など、全然知らない人や物語ばかりなのですが読んでみたいと思わされました。

    行ったことのない土地、食べたことのない食べ物(と思ったことのない昆虫なども含め)、読んだことのない物語、そしてこのエッセイを読んでもよくわからなかったその土地の事情や空気感なども合わせて知的好奇心を刺激される一冊でした。
    この人のほかのエッセイも読んでみたいなと思いました。
    出来ればまたおいしそうなやつを。

  • 文章が私好みでツボに。
    美味しいものが好きな人、少し思考の体操をしたい人に。
    WEB平凡で連載していた ドレスアフタードレス というコラムも良。読めるうちに一読を!

  • 今はなくなったBSNHKの「週刊ブックレビュー」で、確か小池昌代さんだったと思うのですが・・紹介されていた気がします。
    よくあるタイプの食べ歩き紀行を想像しますが、比較文化を含んでいてよみごたえが、とてもあります。
    ーおかわりしてもいいですか。
    と、つい言いたくなる本。

  • ふむ

  • 大學教授・小説家・翻訳家である著者は食いしん坊。海外へふらっと旅へ出て、土地土地の今まで食べたことのない料理を興味深々で食してみる。
    その料理には、その場所の歴史や文化が凝縮されている。
    芋虫・蟻・パンの実・くじら・修道院のクッキー・チョコレート…。
    ただ「美味しい」だけでなく、その文化のニオイを感じつつ食している。

    昔からの食べ慣れたものを食べたい。
    安全なものを食べたい。
    食べることを通して、面白い話を聞きたい、知らないことを知りたい。

    きっとこれはみんなが思っていること。

  • 食べ物から沸き上がってたなびく湯気は、思えば線香の薄くたなびく雲のようなそれでした
    煙は川となり海に注ぎますが肉体は重く、
    こうして寝床から起き上がるのも 私は若者の身でありながら困難な事が多い情けない有様ですが
    実体のない悲しみも希望も 指に絡め取って優しく引き寄せてくださる方が世界中に 何人かでも増えていらっしゃったら
    恐らくまだどうにか滅びることは無いかもしれませんが
    私の胸の内にある黒いもやもやが はち切れんばかりに膨らんで 天井の隅に焦げたようにこびりついているのを見るのはしんどい
    わたしにはこの世に生きる、知識も器量も、資格もとてもとても足りないように思えてなりません

  • 世界のあちこちで出会った人と食。
    ソ連時代の食事から昆虫食のことまで。

    文体が少し古風なかんじ。なにか、どこかで読んだことがあるような。夏目漱石とまではいかないけれど。
    個人的には文体がしっくりくる感じがして良かった。

  • タラが世界とつながっているとは。

  • 食べ物の描写が秀逸なだけに、もっと欲しかったかな……。
    欧米諸国、欧米文化、盗人猛々しい!ペッペッ!という感じが私にはちょっと、向いていなかったようです(冗談めかして書いているところも、可笑しい気持ちにはなれず)。アジア、オセアニア、アフリカ諸国の側に立つならそういう書き方になるのはしょうがないのかな……。「日本語に生まれて」と平行して読んでいたので、重複している話がちょっとしつこく感じてしまった。図書館より。

全20件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1966年生まれ、明治大学法学部・同大学院教養デザイン研究科教授。
著書に『日本語に生まれて』(岩波書店、2013年)ほか。共編著に『世界中のアフリカへ行こう』(岩波書店、2009年)ほか。訳書にアール・ラヴレイス『ドラゴンは踊れない』(みすず書房、2009 年)ほか。

「2023年 『蜘蛛の巣上の無明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村和恵の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×