- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582835588
作品紹介・あらすじ
国境なき食欲、おいしいごはんを求めて東へ西へ。カリブの芋棒、砂漠の芋虫、パンの実と探検隊の缶詰、くじら汁に人食い、修道院のお菓子、フリカケにチョコレート-世界のお皿には人々の記憶と物語がいっぱいつまっている。ドミニカからロシアまで、七つの海を越えて綴られる奇妙奇天烈御馳走奇譚。
感想・レビュー・書評
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『地上の飯』
素晴らしい。
世界に存在するおいしいごはんのにおいに誘われて国境を越えてゆく
こんな風に世界を味わいたい!
今の世界の状況が好転し、いろんな国のおいしい食べ物に出会えるチャンスが訪れるように願わずにはいられません。
#読了 #君羅文庫詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文章が私好みでツボに。
美味しいものが好きな人、少し思考の体操をしたい人に。
WEB平凡で連載していた ドレスアフタードレス というコラムも良。読めるうちに一読を! -
今はなくなったBSNHKの「週刊ブックレビュー」で、確か小池昌代さんだったと思うのですが・・紹介されていた気がします。
よくあるタイプの食べ歩き紀行を想像しますが、比較文化を含んでいてよみごたえが、とてもあります。
ーおかわりしてもいいですか。
と、つい言いたくなる本。 -
大學教授・小説家・翻訳家である著者は食いしん坊。海外へふらっと旅へ出て、土地土地の今まで食べたことのない料理を興味深々で食してみる。
その料理には、その場所の歴史や文化が凝縮されている。
芋虫・蟻・パンの実・くじら・修道院のクッキー・チョコレート…。
ただ「美味しい」だけでなく、その文化のニオイを感じつつ食している。
昔からの食べ慣れたものを食べたい。
安全なものを食べたい。
食べることを通して、面白い話を聞きたい、知らないことを知りたい。
きっとこれはみんなが思っていること。 -
食べ物から沸き上がってたなびく湯気は、思えば線香の薄くたなびく雲のようなそれでした
煙は川となり海に注ぎますが肉体は重く、
こうして寝床から起き上がるのも 私は若者の身でありながら困難な事が多い情けない有様ですが
実体のない悲しみも希望も 指に絡め取って優しく引き寄せてくださる方が世界中に 何人かでも増えていらっしゃったら
恐らくまだどうにか滅びることは無いかもしれませんが
私の胸の内にある黒いもやもやが はち切れんばかりに膨らんで 天井の隅に焦げたようにこびりついているのを見るのはしんどい
わたしにはこの世に生きる、知識も器量も、資格もとてもとても足りないように思えてなりません -
世界のあちこちで出会った人と食。
ソ連時代の食事から昆虫食のことまで。
文体が少し古風なかんじ。なにか、どこかで読んだことがあるような。夏目漱石とまではいかないけれど。
個人的には文体がしっくりくる感じがして良かった。 -
タラが世界とつながっているとは。