無念なり: 近衛文麿の闘い

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582836400

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  • 著者は近衛文麿に贔屓して昭和の日本史を描いたのは意図があるのか?近衛の能力・魅力が強調されていて読み進めると感情移入されそうになる。
    しかし近衛文麿は政治家であり、「結果責任」を問われる立場である。その視点で見直すと、昭和の「節目」は多くが近衛文麿によって刻まれている。
    しかも日本に負の結果をもたらしたものが少なくない。
    この結果を並べると明らかに「有罪」である。本書の弁護では覆らない。

    国民政府を対手とせず
    大政翼賛会
    日独伊三国同盟
    日米諒解案を進められず 松岡外相の更迭遅い
    終戦工作
    戦後、憲法の改正

    昭和史に新事実が結構あった
    なんと言っても悔やまれるのは、「日米諒解」
    松岡洋右に潰された?そんなことが出来るのか
    即、総辞職して、外務大臣をなぜ変えなかったのか
    私の最大の謎 唯一無二のラストチャンス!

  • 近衛文麿の評伝ではあるが、
    立場がかなり近衛よりでありフェアではない。
    また中盤まで近衛の心情を充分に描写できているとは
    思えない内容が続く印象を受けた。
    また終戦工作まわりの内容には
    文脈レベルで誤記を疑う描写があり強く疑いが残る。
    脱線気味の内容ではあったが、
    憲法改正に関する話題については多少興味深く読めた。

  • 世間に流布する批判に対抗して近衛文麿の再評価を!はいいが、なんでも逆張りすりゃいいってもんじゃない。もう業績を客観視しようという姿勢が皆無で、結果的にタダのマンセー本になっている。世間の悪評はすべて他者の陰謀かマスコミの誤解と断じ、そしていいことだってやってるよ!とほのぼのエピソードを列挙……こんな著者本人と近衛の遺族専用のオナニー伝記を読んでも得るところはほとんどない。

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著者プロフィール

大野芳(おおの・かおる)
一九四一年愛知県生まれ。ノンフィクション作家。『北針』で第一回潮賞ノンフィクション部門特別賞受賞。
著書に『近衛秀麿――日本のオーケストラをつくった男』(講談社)、
『絶海密室』『瀕死の白鳥――亡命者エリアナ・パブロバの生涯』(以上、新潮社)、
『8月17日、ソ連軍上陸す――最果ての要衝・占守島攻防記』『「宗谷」の昭和史――南極観測船になった海軍特務艦』(以上、新潮文庫)、
『死にざまに見る昭和史――八人の凜然たる〈最期〉』『無念なり――近衛文麿の闘い』『裸の天才画家 田中一村』(以上、平凡社)、
『天皇は暗殺されたのか』(二見文庫)など多数。

「2020年 『伊藤博文を暗殺したのは誰なのか 安重根と闇に隠された真犯人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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