ただしい暮らし、なんてなかった。

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 393
感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582838848

作品紹介・あらすじ

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「北欧、暮らしの道具店」「朝日新聞デジタル『&w』」などの人気連載で知られる、
エッセイストの大平一枝さんが、50代を迎えたいま考える、暮らしのあれこれ。
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かつてのわたし、いまのわたし。
モノも友達もスケジュールも、もうそんなに足さなくていいと気づいた――。

家事のルーティーン、モノの持ちかた・手放しかた。人付き合いのコツ、心身のケア……。たくさんのトライアンドエラーをくりかえした日々の記録には、無理をしない、背伸びしない、心安らぐ暮らしのヒントがたくさんつまっています。

「みんな、生きている途中だ。自分にフィットする暮らしのありようを求めて石のように
どんどん転がっていけばいいと思う。変わることをとめずに。」(本書より)

<目次(抜粋)>
十年前は想像していなかったいまの自分

一章 待つほうが案外うまくいく
・絡まっていた糸
・時短料理、便利家電によって浮いた時間で私はなにをしてきたんだろう
・点滅する信号が教えてくれたこと
・眠れても眠れなくても
・出掛けに探すネックレス など
 
二章 買う、選ぶ、手放す。モノと付き合う
・「きのうの私」に今日の気分を決められたくないのだ
・十五年ぶりに鍋を新調した
・私のフライパン物語
・台所の?真っ白?
・可視化の効用
・器は思い出の倉庫 など
 
三章 人付き合いの快適な距離と温度
・自分らしく生きるのはけっこう覚悟がいる
・大勢で会うのをやめたら楽になった
・どうしても合わない人に
・母へ、二十余年ぶりの告白
・愛情は巡り、上書き更新できる など

四章 自分を養生する
・頑張らないことのほうがずっと難しい
・前菜勝負
・初めてのダイエットプチ成就
・月曜断食と尽きせぬ欲望
・前髪を二センチ切って見えた世界 など
 
五章 育ちゆく日課表、住まいクロニクル
・変遷する「朝家事、夜家事」
・魔法の灯り
・パンと私
・ちゃぶ台リメイク
・七十二個の目標シート など

感想・レビュー・書評

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  • 私とは真逆の生き方か・・・。

    予定を組んだり、今日中にこれをしようと段取りするのは、できなかったときに自己嫌悪になるのに、一切やめたという著者の大平さん。

    日々は小さな選択の連続だ。自分がいいと決め込んだことが、歳を重ねるにつれて暮らしのサイズやリズムに合わなくなることがある。

    価値観は変わる。人がいいといったものが自分の生活にフィットするとは限らないし、人との付き合いももうなに頑張らなくても良いと・・そこには共感するが。
    できないことは、最初からやらない、あとから悔やむなら頑張りしようとはしないレベルを下げるって、これって人間って安易な方へ堕落するものと思っているし、自分はそちらへ流れやすいので、少し踏ん張っているんですが。

    まあ、自分にフィットするサイズをいかに見つけるかですな。

  • 多分同じくらいのお年頃。少しずつ手を抜く部分を許容していこう

  • 共感、気づきの連続。自分の暮らしにすっと入ってくる気持ちの良さ。

  • いやなんかもうびっくりするくらい泣いてしまった。最近ちょっともやっとしていたから、引き寄せたとしか思えないほど、完璧にすこんとはまってしまった。うれしかった。

  •  作家で、エッセイストの大平一枝さんが、50代半ばになり考える、日々のあれこれ。

     図書館で借りたことさえ、忘れた頃にやってきた本。なぜ予約したかも、もはや思い出せないけど、タイトルに惹かれたのかもしれない。
     若い頃からの好みの変化、心の持ちよう、歳を重ねることで変わってくるあれやこれや。何をあんなに頑なにこだわったり、拒んだりしていたのだろう。変わることは悪くない。そんなことを思わせてくれるエッセイ。日々の選択の積み重ねで「今」があるけれど、10年前を振り返るとその変化に驚かされる。
     身体を大切に、生き急がずに、誰かに見せるのでなく自分に正直に生きること、心を込めること、しっかり呼吸すること、大切な人に気持ちを伝えること……大事にしたい、いくつかのこと。

  • この本を読んでいる毎日は、心がワクワクした。
    私もこういう生活したいなぁ、いいなぁ、等身大でちょっとした毎日を楽しめるのが本当に良い!

  •  やはり、大平一枝さんの優しくて飾らない文章は良いですね。 好きです。 共感するところも多く、癒されました。
     人生を振り返りながら、苦さ・切なさ・懐かしさ・満たされた想いと様々味わいました。


    『かつて 問題が起きたらすぐ解決しなければ、
         相手を理解しなければと必死になって
         いた。
     いま ある年齢を過ぎたら、どうにもならない
        人間関係は逃げても諦めてもいい。
        それより、わだかまりの手放し方を体得
        したほうが得。』

    『わだかまり』と表現されるその気持ち、よく分かります。 お母さま、お嬢さま、そして、お義父さまとのエピソードが、印象深く記されていましたが、近しい人との『わだかまり』を手放すのは難儀です。 やっと、手放したと想ったら、新たにできたり。
    人生の後半は、スッキリ嫋やかに笑顔で生きたいものです。


     大学一年生のお嬢さまの深い気づきに感嘆。
    『「自分の許容量のなさは、傲りからきてたって気づいたんだ」』

    『かつて 人より知っていることは、えらいと思
         っていた。
     いま 知らないので教えてくださいと言える人
        こそ素晴らしい。』

  • わかるわかると共感できる本だった。

    かつての自分と今の自分を比較しているところが面白い。

  • 人には人に合ったそれぞれの暮らしというものがあるのだと再認識。今は、持たない暮らし、時間に追われる暮らし、リモートやデジタルに囲まれる暮らし、フリーランスな暮らし、健康重視で朝活などをする暮らし、様々あるが、どれも環境やメディアに振り回されているのもではないのか。
    この本の暮らしは、持つものを減らし、あえて手間をかけて、その手間を楽しんだりその時間を自分のものに変え、心に余裕を作り、自分を養生するもの。トライアンドエラーを繰り返し、多くの取材を通しての発見が書かれている。時間がかかってわかることの方が多い。そのわかったことの方が、すぐに得たものよりも大事である。
    時短でできた時間で私たちは一体何をしているのか?スマホなどさらに余計なことに時間を費やすようになっていないだろうか。
    いつの間にか付き合いのなくなった人から15年ぶりにいきなり連絡がくる。絡まっていた二人の糸を時間が解いてくれた。
    悩んでも悩まなくても同じ朝が来る。それなら悩まない方がいいじゃないか。悩んで起きた朝は気分が悪い。
    服はたくさんあるのに着る服がない。自分にも経験がある。
    家を建て替えるのではなく、今の家の使えるものをフル活用して新たに作り替える。思い出がそのままに新しい生活が続いていく。
    もう一度、自分の今の生活はどうなのか、読むと見返したくなる本であり、不安や余裕のない人に安心をくれる本である。

    表紙がシンプルで、エメラルドグリーンの無地に黒文字のタイトルだけなのが素敵。本の内容をありのまま表しているよう。本屋で結構汚れや折れがある本があったので、気になる人はよく見て購入した方が良い。さっそく黒い点のようなものがついてしまいショックを受けている。綺麗な表紙のまま読みたい本。
    章も節も短く読みやすい。所々に写真が載っているのが上品さを出している。文末に「かつて」と「いま」の比較があるのが良い。考え方の変化がわかる。


    好きな話。
    一章 糸、時短料理、眠れても、ネックレス
    二章 昨日の私、真っ白、金継ぎ
    三章 全て
    四章 全て
    五章 朝家事夜家事、魔法の灯り、はじまりの味、やる気だけでは、省いてはいけないこと、朝喫茶、住まい、足さなくていいこと

  • 内容は悪くないはずなのに息苦しい感じがする…。
    過去の反省を色濃く感じる。
    そんなに反省しなくてもよくね?ってなった。

    けっこう何でも楽しく読めたはずなのになぁ〜。
    年かな(笑)

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著者プロフィール

大平 一枝:作家、エッセイスト。長野県生まれ。大量生産、大量消費の社会からこぼれ落ちるもの・
こと・価値観をテーマに各誌紙に執筆。著書に『東京の台所』『男と女の台所』『もう、ビ
ニール傘は買わない。』(平凡社)、『届かなかった手紙』(角川書店)、『あの人の宝物』(誠
文堂新光社)、『新米母は各駅停車でだんだん本物の母になっていく』(大和書房)ほか。
「東京の台所2」(朝日新聞デジタル&w)、金曜エッセイ「あ、それ忘れてました(汗)」
(北欧、暮らしの道具店)、「令和・かぞくの肖像」(OIL MAGAZINE)など連載多数。


「2021年 『ただしい暮らし、なんてなかった。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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