タイポグラフィ・ブギー・バック: ぼくらの書体クロニクル

著者 :
  • 平凡社
3.80
  • (1)
  • (6)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 106
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582839197

作品紹介・あらすじ

活版や写植からデジタルフォントへ、文字印刷が急激な変化を遂げた平成の30年間。雑誌、マンガ、CD、テレビ……多様なメディアの書体の変遷から時代を読み解く。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 正木香子「タイポグラフィ・ブギー・バック」 | ウェブ平凡 web heibon
    https://webheibon.jp/typographyboogieback

    文字の食卓 — 世界にひとつだけの書体見本帳
    https://mojisyoku.jp/

    タイポグラフィ・ブギー・バック - 平凡社
    https://www.heibonsha.co.jp/book/b620499.html

  • ふむ

  • [図書館]
    読了:2023/8/18

    スラムダンク、「ルカワ!!」にはお約束としてファン蘭が割り当てられ「フンフンフンディフェンス」にはゴカール、「オレたちは強い!!」にはゴナ。懐かしいなぁ…
    幽白といえば真ん中に白線の入ったゴナ。「霊気が電流みたいに身体を貫く感じがする」と描写していて、なるほどなぁと思った。

    「「きゃりーぱみゅぱみゅ」はゴナが似合わず、新ゴが似合う」
    並べて書かれているから余計に思うけど、やっぱり新ゴってどこかギャグっぽいというか遊んでる感じがするんだよなぁ(写研びいき)。
    「きゃりーぱみゅぱみゅ」を「一九九〇年代には存在しなかったような文字列」と描写しているのが笑えた。

    <中ゴシックBBB>小回りがきく機能的なイメージ
    <石井中ゴシック>手拍子のようなビートがある
    <こぶりなゴシック>穏やかで、スピード感には欠けるけどその分地に足がついている

  • 実家に放置している自分の本棚を整理してくれ、と言われ、いま手に入れることの出来ない文庫を粗よりしながらパラパラ捲ると,漂ってくる時代の雰囲気、それは古本の紙質の匂いだけではなくて、使われている活字の書体からも感じます。そもそも文庫毎の活字の違いも、それぞれの文庫の作品の選ばれ方の傾向にマッチしている気分も思い出しました。新潮文庫らしさ、角川文庫らしさ、今は亡き旺文社文庫らしさ…。そんな古い話でなくても書体を巡る冒険は、続いているのです。小沢健二とスチャダラパー「今夜はブギー・バック」のシングルのデザイン、歌詞のフォントチョイスから始まる文字の記憶の物語。その曲が1994年なのでかれこれ30年の時代変化なのです。それは出版がDTP化する産業革命が裏地になっているのです。P210のハリーポッターを巡る「リュウミン」を他の書体の比較、知らなかった物語を顕在化してくれました。出版だけでなく音楽、マンガ、雑誌、そしてはテレビのテロップまで文字に関するテクノロジーとコンテンツの相互作用を解き明かしています。とはいっても、そのすべてが著者の個人的記憶の歴史でもあって、書体を語りながら、この30年のサブカルを思い出させるスィート・メモリーズでした。実はこの後「杉浦康平と写植の時代: 光学技術と日本語のデザイン」を読もうと思っていて、その大著の飛び板になったみたいです。

  • 書体(フォント)という観点から作品を語るコラム。
    文字を読むときは、書体のイメージも含めて読んでいる、ということを再認識できて、とても面白かった(これは私たちは普段から無意識で行っていることだが、人間の認知能力というのは本当に底知れない)。
    書体になじめなくて読めない本があったというエピソードや、説明されても書体の細かな違いが私にはわからなかったりと、著者の書体に対する感覚の鋭さや表現の豊かさに驚きすら感じた。出版社に勤務されていたからこんなに詳しいんだな、と納得しかけたが、こどもの頃から感覚的に書体の違いを味わっていたようで恐れ入る。
    「芥川賞受賞作品」とか「夏の文庫フェアの1冊」とか、自分の中でカテゴライズしながら作品を読むことはあるが、「あの作品と同じフォント」という観点で読んでいく発想はなかった……!

    『ちびまる子ちゃん』がエッセイマンガからフィクションにシフトしていったのは、原作では大人になった作者自身の声だったはずのモノローグがアニメではキートン山田のナレーションとなったことが一因、というのは私も考えていたことだが、そこに書体の視点(タイポスという書体の声が変質して客観性が生まれたから)まで入っているのはさすがだと唸った。
    他にも身近な作品を挙げながら、ちょっと驚くネタもあって、楽しく読んだ一冊だった。
    この本に使われている書体はなんなのか、気になってしまった。

  • 著者とほぼ同年代で、大学で雑誌作りに励み、テレビ業界に就職した身には、懐かしさに溢れる一冊。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

正木香子(まさき・きょうこ)
1981年生まれ、福岡県出身。文筆家。「文字の食卓」主宰。早稲田大学第一文学部卒業。幼いころから活字や写植の書体に魅せられ、〈滋味豊かな書体〉をテーマに各紙誌エッセイを発表している。著書に『文字の食卓』(本の雑誌社)、『本を読む人のための書体入門』(星海社新書)、『文字と楽園 精興社書体であじわう現代文学』(本の雑誌社)など。

「2020年 『本のリストの本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

正木香子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
橋本倫史
小川 哲
平山 亜佐子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×