花押を読む (平凡社選書 124)

著者 :
  • 平凡社
3.33
  • (0)
  • (1)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 15
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582841244

作品紹介・あらすじ

花押は自分を他人から区別する独自性の表徴として作成、使用されるサインの一種である。個々の花押にどのような独自性の主張がこめられているか、花押の作り方にまで立ち入って、その原拠の文字は何であるかを明らかにすることで、花押の主の好尚・願望・思想を考えることができる。一時代の、一社会圏もしくは一集団に属する相当人数の花押が理解できるならば、花押を人物史科として思想史・政治史の史料として利用する新しい観点の可能性がでてくる。発生から執権北条氏、足利将軍、戦国大名、近現代の政治家、軍人、外交官まで花押を読む試み。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読了は学生時代だったような気がします。
    佐藤進一先生が古今の「花押」について体系的に解説します。
    今日でも政治家が花押にて自署しているところをテレビで観たりしますが、「花押」とは、草書体の自署をさらに崩して文字にみえなくなったものを、記号・符号として自署の代わりとしたもので、今日でいう「サイン」を手紙や公式文書などで自署として使用していたような感じですかね。
    自分も「花押」が欲しいなあと思って崩してみたことがありますが(笑)、なかなか格好良いものにはならないですね。(苦笑)第一、難しいものを作っても、それをまた書けるかという継続性にも難があります。(笑)
    個人的には、下部に直線を引く有名な足利様の花押が好きです。(笑)執権北条氏系の花押は何だか落書きのような感じがしてどうも・・・。(笑)これが、戦国時代に入り新様式となると、だんだんわけがわからなくなってきて、織田信長の「麟」の花押などは格好良いのですが、有名な伊達政宗の鳥の絵の花押とか、浅井氏や六角氏や斎藤氏のように山の絵としか思えないようなものなどは何だかなあと思ってしまいます。(笑)山の絵はともかく、鳥の絵花押とか再現性の厳しいものは自署するにも時間がかかったのでしょうね。やっぱ、自分で考案し猛練習したのでしょうか。(笑)個人的な印象ですが、近現代の人々の花押はやはりスマートな感じがします。
    近代以前では花押は本人確認の重要な目印ですから、真似されないように工夫を凝らし、その時々の政治志向や目的に合わせて形を変更したりしていて、その変遷をみていても結構楽しいものです。

  • ●信長は生涯に10回も花押を変えた
    横に倒して裏返すなど偽造防止に重点を置く

    ●花押と印章の接近→花押の印章化へ

    ●花押は自署から発しているが、著しく類似していたり類型化できるものもある(足利家など)
    威光の借用

    ●文字のほか、鳥の型、理想の言葉の図形化等

全2件中 1 - 2件を表示

佐藤進一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×