- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582855234
感想・レビュー・書評
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ハングルは15世紀に、驚くほど精緻な「音の分析」をもとに創られた文字。現代の言語学者も驚嘆するその〈緻密な仕組み〉とは? 圧倒的な漢字文化の只中で、文字革命はいかに行われたのか? ハングルは、15世紀に李氏朝鮮で創られた〈文字〉である。精緻な「音の分析」をもとに創られたこの文字は、現代の言語学者も驚嘆するほどの〈緻密な仕組み〉を備えている。これほどの文字を、第四代国王・世宗(セジョン)と、彼に仕えた若き秀才たちはどのように創ったのだろうか?
また、当時の朝鮮は、行政を執り行う際の文書も、歴史を記述するのも、風景や人情を詠む詩歌も、すべてに漢字が用いられてきた。しかも、隣り合う中国との外交などでの付き合いもある。日本以上に、圧倒的な漢字文化のまっただなかにあった当時の朝鮮で、文字革命はいかに行われたのか?
ハングルの仕組みを〈言語学的〉に、そしてその成り立ちを〈歴史〉から見ていくことで、〈奇跡の文字ハングル〉の合理性、秘められた可能性を探っていく。
[第22回アジア・太平洋賞大賞受賞]
韓国ハングル学会より[2012年度・周時 経(チュ・シギョン)学術賞受賞]詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
広く一般向けとするには、言語学の用語や概念がちょっと難しいかも。
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たまたま最近読みかけだったののだが、本日が「ハングルの日」と知り、あわてて読了。ハングルとひらがな・カタカナの違いを知るには本書前半の言語学からのアプローチ、共時的分析が役に立つだろう。学習経験のある者にとってもそれなりに発見がある
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[ 内容 ]
現代の言語学者も舌を巻くほどの精緻な「音の分析」によって、一五世紀の中頃、“ハングル=訓民正音”は創られた。
圧倒的な漢字文化のまっただなか、合理的な仕組みと、美しさを兼ね備えた文字を、国王と若き学者たちは、どのように創ったのか?「音が文字になる」奇跡の瞬間を、ハングルの創生とともにたどる。
[ 目次 ]
序章 ハングルの素描
第1章 ハングルと言語をめぐって
第2章 “正音”誕生の磁場
第3章 “正音”の仕掛け
第4章 “正音”エクリチュール革命―ハングルの誕生
第5章 “正音”エクリチュールの創出
第6章 “正音”―ゲシュタルト(かたち)の変革
第7章 “正音”から“ハングル”へ
終章 普遍への契機としての“訓民正音”
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
文字には形・音・義があるという観点からの、漢字とハングルの比較が非常に興味深い。
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韓国旅行してみて、改めてハングルについても学びたいなあ、と思う今日この頃。やっぱりルーツをたどって理解するのがいいんじゃないだろうか。