旅する漱石と近代交通: 鉄道・船・人力車 (1015;1015) (平凡社新書 1015)
- 平凡社 (2022年11月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582860153
作品紹介・あらすじ
文豪・夏目漱石はどんな乗り物で旅をしたのか? 新婚旅行の汽車、イギリス留学に向かう船、東京を走る路面電車、満州見学の特別列車……近代交通の発展を漱石の旅路から追う。
感想・レビュー・書評
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夏目漱石の生涯を交通の視点から照らす意欲作。
1867年生まれ、1916年没。ちょうど日本の鉄道の発達と重なる生涯。坊ちゃんのマッチ箱の汽車だったり、鉄道の黎明時代。人力車や欧州航路など鉄道以外の交通についてもかなり細密。
得てしてこういう本は趣味本、素人っぽい本が多いのだが、この筆者の著作はレベルが高い。交通だけでない文学に関する造詣が深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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コロナ後初の出張のおともに本書を持っていく。
著者は交通史の専門家(といっても、商社などで長く勤務したビジネスパーソンだった方)。
本書は「読んで楽しくわかりやすく」をモットーに書かれたものだ。
漱石の生涯をたどりつつ、発達していく交通機関の状況を説明していく。
・学生時代の旅で利用した蒸気船と蒸気機関車
・松山・熊本時代の地方の鉄道
・留学時の欧州航路とイギリスの鉄道・地下鉄
・満州訪問時の特別列車やトロッコ
・東京の人力車、馬車、自転車
・路面電車、郊外電車
ざっとこんな感じだった。
これまでにも小池滋さんの著作や、漱石の研究者の人たちの本でも、割と交通関係の論文があったような気がする。
一冊であれもこれも、ちょっとずつ知ることができるという意味で、楽しい本かもしれない。
一番印象的だったのは、漱石の自転車体験。
ロンドン時代のことだが、あれは…漱石でなくてもトラウマになるだろう。 -
京都府立大学附属図書館OPAC↓
https://opacs.pref.kyoto.lg.jp/opac/volume/1252043?locate=ja&target=l?