旅する漱石と近代交通: 鉄道・船・人力車 (1015;1015) (平凡社新書 1015)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582860153

作品紹介・あらすじ

文豪・夏目漱石はどんな乗り物で旅をしたのか? 新婚旅行の汽車、イギリス留学に向かう船、東京を走る路面電車、満州見学の特別列車……近代交通の発展を漱石の旅路から追う。

感想・レビュー・書評

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  • 夏目漱石の生涯を交通の視点から照らす意欲作。

    1867年生まれ、1916年没。ちょうど日本の鉄道の発達と重なる生涯。坊ちゃんのマッチ箱の汽車だったり、鉄道の黎明時代。人力車や欧州航路など鉄道以外の交通についてもかなり細密。

    得てしてこういう本は趣味本、素人っぽい本が多いのだが、この筆者の著作はレベルが高い。交通だけでない文学に関する造詣が深い。

  • コロナ後初の出張のおともに本書を持っていく。

    著者は交通史の専門家(といっても、商社などで長く勤務したビジネスパーソンだった方)。
    本書は「読んで楽しくわかりやすく」をモットーに書かれたものだ。
    漱石の生涯をたどりつつ、発達していく交通機関の状況を説明していく。
    ・学生時代の旅で利用した蒸気船と蒸気機関車
    ・松山・熊本時代の地方の鉄道
    ・留学時の欧州航路とイギリスの鉄道・地下鉄
    ・満州訪問時の特別列車やトロッコ
    ・東京の人力車、馬車、自転車
    ・路面電車、郊外電車
    ざっとこんな感じだった。

    これまでにも小池滋さんの著作や、漱石の研究者の人たちの本でも、割と交通関係の論文があったような気がする。
    一冊であれもこれも、ちょっとずつ知ることができるという意味で、楽しい本かもしれない。

    一番印象的だったのは、漱石の自転車体験。
    ロンドン時代のことだが、あれは…漱石でなくてもトラウマになるだろう。

  • 京都府立大学附属図書館OPAC↓
    https://opacs.pref.kyoto.lg.jp/opac/volume/1252043?locate=ja&target=l

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著者プロフィール

1939年東京都生まれ。東京大学法学部卒業。三菱商事を経て,2006年までセ・デ・ベ・ジャポン代表取締役。2005年以降は近代史・鉄道史をテーマに著述業を本格化。鉄道史学会会員。著書に『流線形列車の時代』,『文豪たちの大陸横断鉄道』,『鉄道技術の日本史』,『新幹線はなぜあの形なのか』,『鉄道快適化物語』,『鉄道高速化物語』などがある。

「2022年 『世界鉄道文化史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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