合気道の科学 新装版: 合気・発勁の秘密を解く

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  • ベースボール・マガジン社
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784583036830

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  • 著者は大東流合気柔術の佐川幸義門下の人間で、この本に出てくる技はすべて大東流のもの。その意味でこの本のタイトルは『合気道の科学』ではなく、合気の科学にすべきだったと思う。この著者の一連の著作は、一時武道界で非常に話題になったが、キャッチーでわかりやすく単純だった分、批判にも弱かった。

    著者の主張を簡単にまとめると、
    ・日本人は引く動作、つまり屈筋を使う癖があり、そのため武術でも柔術など引きつける動作のものが発達した。日本人以外は押す動作が主で、それはすなわち伸筋を使っているわけであり、格闘技も突き技系が発達した。
    ・合気とは別に力を使わないことではなく、伸筋を使う技術だが、屈筋と違って本人はあまり力を使っていないと感じてしまう。合気を身につけるためには屈筋を使わないすることが大事。
    ・格闘技は一般に屈筋を使ったものから伸筋を使ったものへと発達する。柔術は武田惣角の出現でやっと伸筋を使うレベルへ到達した。対して、中国は太極拳などはるか以前にその段階へ到達していた。
    ・いわゆる「気」と合気は直接には関係ない。ただし、気功の筋肉の使い方は合気を身につけるために大いに役立つ。

    こうした主張に対し、そもそも合気道道場で一般に欧米人の動きは力が入りすぎではっきり言って下手。お世辞にも日本人よりうまいとは言えない。また、組技系の格闘技は日本だけじゃなく世界中にあるし、それと比べて突き技系が進化したものなわけでもない、等々、図式化して非常にシンプルなわかりやすい説明にしてしまったがゆえに、当たり前の指摘にも持ちこたえられなかったきらいはある。

  • 合気道に限らず、日本武道を理解する上で厄介な問題である「気」や「○○力」といったコトバの指示内容を、太極拳やゴルフ、ボクシング、相撲など他の身体技法を例にとりながら、科学的に説明(翻訳)しようという意欲作。ただ、著者の地の文と引用文との区別が一読しただけではわかりにくく、文章的にも巧みとはいいがたいのが残念に思う。

    • batteraさん
      合気道に限らず、日本武道を理解する上で厄介な問題である「気」や「○○力」といったコトバの指示内容を、太極拳やゴルフ、ボクシング、相撲など他の...
      合気道に限らず、日本武道を理解する上で厄介な問題である「気」や「○○力」といったコトバの指示内容を、太極拳やゴルフ、ボクシング、相撲など他の身体技法を例にとりながら、科学的に説明(翻訳)しようという意欲作。ただ、著者の地の文と引用文との区別が一読しただけではわかりにくく、文章的にも巧みとはいいがたいのが残念に思う。
      2008/08/07
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