- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784584125816
作品紹介・あらすじ
社会に溶け込める一見普通の人が、大それた事件を起こすのはなぜか。『発達障害』で16万部の精神科医・岩波明がサイコパスやカルト宗教殺人犯、集団リンチ事件を例に、悪とは何かを問う。
感想・レビュー・書評
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過去の事象を丹念に解説! 臨床(現場)を積み重ねて来た著者だからこそ辿り着ける場所...。ご都合主義では何も解決しないんですよね...。
事実と真摯に向き合うことでしか、世は変えられないのだ、ということを明らかにしてくれる良書でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
殺人に至る「病」 精神科医の臨床報告。岩波 明先生の著書。殺人に至る「病」を知らないと、殺人事件を減らすことなんてできない。殺人に至る「病」への理解を深めることが、殺人事件を減らすことにつながるのかもしれない。殺人に至る「病」を持つ人、殺人犯を頭ごなしに非難したって貶めたって、何の解決にもつながらない。そうだとするなら、これ以上悲惨な事件が起きないためにも、手を差し伸べるべきところは手を差し伸べて社会全体で支えてあげないと。
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興味深い内容を、わかりやすく解説してあった。
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人を殺す者、人を殺さない者。その二つに大きな違いはない。ほんの些細な誘因で人は誰しも人を殺す可能性があるのだ。
"精神病質"とは簡単に説明のつくものではない。恐らく"平常"な人間である私にとって精神疾患は大変興味深く、それでいて果てしなく未知だ。理解しようにも、そう上手くはいかない。しかし人を殺す者の心理など知らなくて良いだなんて、それはあまりに乱暴な考えだろう。大小こそあれど誰もが越える可能性のある精神の、ある種の壁。その存在を常に忘れてはならないのかもしれない。
犯罪を犯さずに生きることは、もはや当たり前でもないのだろう。 -
誰しも加害者になりうる、ということ。もちろん被害者にも。諸々気をつけなければ。