全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】

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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584139066

作品紹介・あらすじ

経済学者・官僚がこっそり読んだ『奇跡の経済教室』待望の第2弾。政治家に読ませたい本№1!世界で起きている変化、日本がとるべき戦略が面白いほど見えてくる!全米騒然・日本上陸のMMT(現代貨幣理論)がよく分かる特別付録つき

第1章 基礎知識のまとめ
日本経済の長期停滞
「合成の誤謬」
デフレ対策とインフレ対策
貨幣についての正しい理解(現代貨幣理論)
財政に関する正しい理解(機能的財政論)
財政赤字は削減できるか
グローバリゼーションの真実
主流派経済学の非現実性

第2章 二つの成長戦略
「アメ型」成長戦略
制約こそが成長の源泉
「ムチ型」成長戦略
「ムチ型」では成長できない

第3章 「ムチ型」成長戦略の帰結
アメリカの「ムチ型」成長戦略
日本の「ムチ型」成長戦略
「女性の活躍」「人生百年時代」そして「外国人材」
平成の改革の評価

第4章 富を増やす二つのやり方
デフレで得をする人々
「ポジティブ・サム」と「ゼロ・サム」
規制緩和の虚実

第5章 レント・シーキング活動
失敗に終わったPFI
沼のワニ
ルサンチマン
既得権益
アメリカの金融業界によるレント・シーキング活動
レント・シーキング活動の疑い
日本人であることも既得権益

第6章 大失敗した行政改革
なぜ行政はレント・シーキング活動を放置しているのか
官僚主導という誤解
調整型官僚と族議員
「改革派」官僚の登場
「改革派」官僚が考えた内閣人事局
レント・シーキング活動と行政改革

第7章 諸悪の根源
税制とレント・シーキング活動
財政健全化が招くレント・シーキング活動
財政健全化から移民政策へ

第8章 エリートたちの勘違い
元大物次官の述懐
自己実現的予言
国民の品格?
財政を精神論で語ることの危険性
財政赤字と民主政治
民主政治とインフレ
財政規律?
エリート意識の倒錯

第9章 なぜエリートたちは考え方を変えられないのか
認識共同体
財務省の認識共同体
グローバルな認識共同体
回転ドアと認識共同体
留学と認識共同体
排除の論理

第10章 なぜ保守派は、新自由主義が好きなのか
保守派と新自由主義
インフレ=民主主義の過剰
平成の保守派

第11章 なぜリベラル派は嫌われるのか
リベラル派の変質
不毛な選択肢
枝野幸男氏の大演説

第12章 世界を読み解く新たな座標軸
イデオロギーの四元構造
トランプ大統領の登場
英仏の混乱
ポピュリズム

第13章 滅びゆく民主主義
グローバル化と民主政治
EUは反民主的な制度
国際条約と民主政治

第14章 歴史の大問題
経路依存性
イデオロギーの経路依存性

特別付録
①よくわかるMMT(現代貨幣理論)入門
②MMTは、インフレを制御不能にする?
③MMTが受け入れられない心理学的な理由
④MMTと認識共同体
⑤MMTと民主政治

感想・レビュー・書評

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  • 【星:4.0】
    前作の「基礎知識編」ほどのインパクトはなかった。
    また、本書もMMT理論全面推しなのかと思ったが、そうでもない感じである。

    言っていることは一貫していて、財政赤字が増えても日本は通貨発行権を持っているので、自国国債でのデフォルトはない。このデフレ時代には緊縮財政ではなく積極財政でといった論調である。

    ただ、この本の面白いところは、経済の話を中心に据えつつ、経済の観点から国際情勢、政治情勢など幅広い内容となっているとことだと思う。

    そして、視点の中心をMMT理論という新しい経済学に置いているので、色々な物事に対するこれまでとは異なる見方を見につけられた気がする。

    ただ、このMMMT理論が正しいかどうかは、また別の話である。

  • ものすごい!MMT(現代貨幣理論)に立脚しながらなぜそれが受け入れらないのかを、合成の誤謬、認識の共同体、予言の自己実現、経路依存性等の概念で読み解く。ここまで言えるにはかなりの自信が必要だし、単に経歴だけでなく相当の研鑽があればこそ。

  • 感想や読書メモが残してなかったため、再読。
    基本編に引き続きとても分かりやすい文章で、MMTや新自由主義、インフレとデフレ、レントシーキングなどについて、「アメ型成長戦略」「ムチ型成長戦略」を軸に書かれている。
    ただ、筆者の思想というか特定の人への批判が強いので盲目的になるのもなあといった印象を受けた。
    そこを差し引いても、新たな視点をわりと容易に得られるのでおすすめ。

  • 信州大学職員の皆さんにおすすめの本を掲載しています。

    ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB28556082

  • 何かで聞いたことがあったMMT(Modern Monetary Theory)の唱道者である著者が、『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』に続いて書いたもので、おそらく内容的にも同じことが書かれてあるのでしょう。

    これからの政策で必要なことは、
    ①財政支出を拡大して、デフレを脱却すること。つまり緊縮財政から積極財政へと転じること。
    ②これまでの「ムチ型(企業利潤主導型)成長戦略」から、「アメ型(賃金主導型)成長戦略」へと転換すること。
    とまとめにある。

    とにもかくにも、デフレは悪だと。
    そして、一見放漫な政策と思えるMMTこそが、このデフレ脱却には効果があると。
    MMTは、「自国通貨を発行する政府はデフォルトに陥ることはあり得ないから、高インフレにならない限り、財政赤字を拡大しても問題ない」という単純明快な理論。
    日本は自国通貨(円)を発行し、国債をすべて円建てで発行しているので、デフォルトすることはない。
    政府の債務は、民間の債権。つまり、国債は国民の資産。政府は、国債の償還のために徴税する必要はない。政府は、借り換え(国債の償還のために、新たに国債を発行すること)を繰り返せばよい。
    従って政府債務は「将来世代へのツケ」にならない。
    しかも、国債を発行して財政支出を拡大し、インフラや教育、技術開発のために使えば、将来世代に「ツケ」どころか「資産」を残すことができる。
    一方この理論は異端で、財政規律を守るべきだと言うのは本流だとも聞く。
    どちらの意見も聞いて(知って)、どうあるべきかを判断すべきなのだろうな。

    話題のMMTの考え方や、効能とされることが分かった。

  • 著者の話のエッセンスは前著(「基礎知識編」)で言い尽くされている。それぐらいわかりやすくシンプルということだ。本書は、なぜその主張が世の中に広がらないのかを論じている。その着眼点や議論の進め方は切れ味鋭いが、それは著者の立ち位置がユニークでブレないからこそ、生み出されたものだろう。ただ、この議論が実際にグローバル化にブレーキをかけ格差是正につながるという道筋を具体的かつ現実的に描けているかというと若干心もとない。新自由主義がやはりシンプルで勢いのある議論を展開しながら、肝心なところで“トリクルダウン”という甚だ怪しい理屈に走ったことが想起されるが、著者の議論が同様のものでないことを祈りたい。194頁で「実際に起きていることは、将来世代の納税者から国債保有者へと、同じ世代の国民の間でお金が移っているだけなのです。右のポケットにある小銭を左のポケットに移したようなものなのです。」「もちろん、将来世代の納税者から国債保有者に富が移るということは、 格差を拡大させる方向に働く所得配分になります。だからこそ、増税、とりわけ逆進性がある(低所得者の方が負担感の大きい)消費税の増税によって、国債の償還を行うべきではないのです。」としているが、では、インフレ期に増税が必要となった時、どのようにして累進的な課税を実現するのか?単に“民主政治を実現する”というだけでは心許ない。もちろんこうなると経済の話ではなくなるが、本書の議論はすでに経済の話だけに収まっていないので、そこのところも論じられて然るべきだろう。

  • いやー、コレもまた面白い

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/788111

  • 背ラベル:333-ナ

  • 基礎知識編が面白すぎたので、続編である本書も読んでみた。
    非常にわかりやすく書かれているので、面白く読ませてもらったが、言っている事は、基礎知識編とあまり変わらないように感じた。
    基礎知識編を二回読んだ方が良かったかも。

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著者プロフィール

中野剛志(なかの・たけし)
一九七一年、神奈川県生まれ。評論家。元京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治思想。九六年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。二〇〇〇年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。〇一年に同大学院にて優等修士号、〇五年に博士号を取得。論文“Theorising Economic Nationalism”(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。主な著書に『日本思想史新論』(ちくま新書、山本七平賞奨励賞受賞)、『TPP亡国論』(集英社新書)、『日本の没落』(幻冬舎新書)、『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』『全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】』(ベストセラーズ)など多数。

「2021年 『あした、この国は崩壊する ポストコロナとMMT』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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