- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784585200222
作品紹介・あらすじ
日本の図書館はいかに構想されたか。なにが実現され、なにが課題としてのこされているか。出発点である戦後占領期から現在に至る様々な組織・しくみが構築された80年代までを中心に、図書館法、Japan Library School、国立国会図書館など、戦後図書館史のエポックを分析する。
感想・レビュー・書評
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戦後、日本の公共図書館を作るためのあれこれ
国立国会図書館が今のかたちになるまで
CIEインフォメーションセンターのこと
司書を養成するための図書館学校のこと
占領下の日本での図書館法制定にいたる過程
図書館問題研究会の成立
図書館流通センターの成立
戦前から「司書」として図書館で働いていた人たちをどうするか、ということで司書講習が始まり、一方ではアメリカのように専門的な教育を受けられるような図書館学校を作るという流れがあった、と。どこかで聞いたような話ではないか。だから司書は専門職と認められにくいのかと一人で納得。
1950年図書館法制定までの紆余曲折。日本図書館協会とGHQ図書館担当官とのやりとりが興味深い。図書館は強制されて作るものではなく、民意で作られるべきだという米国の考え方が、義務設置にしたいという日本図書館協会の考え方とぶつかる、とか、そうなのか。
図書館流通センターが日本図書館協会の書籍販売と目録カード頒布事業の赤字清算のためにできた新事業、新会社だったことを、この本で初めて知る。
指定管理者制度への視点、共感できる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
全体としては戦後図書館史に関する論文集だが、戦後図書館で活躍した人物の評伝を含む。
はしがき / 高山正也. 展望 / 高山正也. 前田多門とシビックス(civics)概念の提唱 / 高山正也. 金森徳次郎と草創期の国立国会図書館 / 春山明哲. CIEインフォメーション・センターの活動 / 今まど子. 資料紹介:日本の新しい図書館学校 / ロバート・ダウンズ(今まど子訳). ドン・ブラウンと再教育メディアとしての図書館 / 三浦太郎. ロバート・ギトラーと日本図書館学校 / 高山正也. 福田直美と1959年のアメリカ図書館研究調査団 / 小出いずみ. 占領下日本における図書館法制定過程 / 三浦太郎. 図書館社会教育論の実体 / 佃一可. 図書館問題研究会の成立と展開 / 佃一可.図書館流通センターとはなにか / 佐藤達生. インタビュー:日本図書館学校の思い出 / 今まど子. 日本図書館史年表 / 村上篤太郎. -
図書館が歩んできた歴史がわかり大変興味深い一冊。
今後の図書館のあり方を考える上でも参考になる一冊です。