戦国十冊の名著

著者 :
  • 勉誠出版
3.67
  • (1)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 10
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784585215134

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 歴史物を読んでいると、よくその引用文献が示され、気になってしまう。

    それらをまとめてくれたもの。

    雑兵物語や三河物語は、説明を読んで興味がわいたが、他の本についてはそれほど魅力が伝わってこない。
    ニッチな分野を扱ってくれている貴重な本だと思うので、もう少し興味を引くエピソードが多ければと思った。

    ・甲陽軍艦
    これは武田信玄の戦法や考えが軍学経典として、まとめられたもの。本文の7割程度は、直接信玄に奉公した部下によるもの。

    ・信長公記
    ・太閤記
    太閤記の目的は、秀吉の天下が長続きしなかった原因を探り、その反省を生かすということらしい。
    私には意外なことだったけど、信長の配下は素直で正義感があり、武勇の道を堂々と歩み、毅然とした士格があって、重厚で恭しく威厳があると書かれているらしい。
    義が大事と説く本である。

    ・三河物語
    徳川の譜代の子孫に対する遺稿。
    口先三寸が出世と今に通じる、切なさが漂う。。。

    ・雑兵物語
    実践的歩兵経典。大阪の陣後の歩兵の実践が少なく、それを憂えた殿様が記した経典。
    言葉も農民に合わせてあり、当時の武士が心遣いの塊であったことが推測されるよう。会話式。
    矢の残りが少ない時の闘い方とか、あらゆる細かい状況への対応法が解説されていて、本にあるように戦場の実際がよく分かる。仲間の救済法まで。自分の背を敵側に向けて、仲間を腹側で抱えて守るなど、ちょっと感動もの。
    薪のない時は馬糞を使えとかから、敵地の井戸は当たるから飲むなとか、とにかく実践的。
    梅干しは重要で(武田信玄軍師の山本堪助の本でも、枕元に準備すべきと記載)、疲れたら、見ろとある。それでも駄目なら、死人の血や泥水の上の済んだ水をすすれと凄烈。
    胡椒は毎日食べれば、冷えや暑けに耐えれるなど、本当に詳細。

    ・武将感状記 義が大切
    ・常山紀談 滅びの美学
    ・名将言行録

    加えて各家家訓。

  • 【新刊情報】戦国十冊の名著 210.4/キ http://tinyurl.com/87vhlhl 弱肉強食の時代において、武田信玄は、上杉謙信は、織田信長は、どのような生き様を見せたのか。「信長公記」「太閤記」「雑兵物語」などの名著を紐解き、武士たちの精神史を追う。 #安城

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1949年東京都生まれ。早稲田大学卒業。若き頃より短歌の道を志し、日本語の美しさを学ぶ。平成年代に入り、[男の生きざま]をテーマに、武士道と軍人精神の究明に傾倒し、関連書籍の出版を重ねる。『甲陽軍鑑』を、武士道をキーワードに読み解いた『実録・風林火山―「甲陽軍鑑」の正しい読み方』(2007年)にて、第25回日本文芸大賞・歴史文芸賞を受賞。
その他の著書に、『三島由紀夫と「葉隠」』(2006年)、『武士道の美学』、『武家女性の美学』(2011年)、『戦国 十冊の名著』、『幕末 十冊の名著』(2012年)、『修身尋常小学校教科書に学ぶ』(2013年)、『武士道基本用語事典』(2013年)、『山頭火秀句鑑賞事典』(2014年)、『山頭火旅情鑑賞事典』(2014年)、『幕末の名著・檄文総解説』(2014年)、『キミもサムライになれる!―武士道を知るための35ヶ条』『三島由紀夫の切腹―よみがえる葉隠精神』(2018年)などがある。

「2018年 『天皇論の名著』 で使われていた紹介文から引用しています。」

北影雄幸の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×