この本を書いたのは誰だ?: 統計で探る“文章の指紋”

著者 :
  • 勉誠社(勉誠出版)
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784585291985

作品紹介・あらすじ

「グリコ・森永事件」で多数の挑戦状・脅迫状を書いた「かい人21面相」は一人ではなく、二人いた。かい人21面相の挑戦状・脅迫状の文章を統計分析すると、こんなことが明らかになってくる。このような「書き手を特定できるような、文章の特徴(クセ)」が“文章の指紋”である。
シェイクスピアの作品や『聖書』、『源氏物語』など、書き手が疑わしい文章や真贋が疑われている文献は、洋の東西を問わず数多く存在する。
本書はこのような疑惑の文章に対して、“文章の指紋”をみつけるために行われてきた様々な方法を紹介し、また著者が携わった日本語を対象とする事例を解説する。

感想・レビュー・書評

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  • 2021.5.18読了

  • 「書き手を特定する」ためにどういう方法があるのか? 「グリコ・森永事件」の犯人が書いた文章から、シェイクスピア、源氏物語など、書き手が疑わしい文章の特徴を探るというのはミステリのようですが、計量的・統計的な手法が使われているのが現代的です。こういう研究もあることを知るきっかけに。

  • カバーに使われているシェイクスピアは、実は何人かのライターの集団だった、という話をどこかで聞いたことがあったこともあり、読んでみました。

    サブタイトルにもある「文章の指紋」については、まだ決定的なものがあるわけではないですが、それを見つけるための過程の大筋も、この本では追えるようになって、日本語の場合は、読点の付け方が有力な候補の一つのようです。

    一方で、文章の書き方は、一生変化しない指紋とは異なり、年齢とともに変わり得るものなので、その点も、「文章の指紋」の決定を難しくしているようです。

    とはいえ、近年は、AIの発展もあり、「文章の書き手の特定」の進展も著しいようなので、今後のこの分野の展開が楽しみです。

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著者プロフィール

統計数理研究所名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授、元同志社大学文化情報学部長。工学博士。専門は計量文献学、統計学。
主な著書に、『文化情報学事典』(監修、勉誠出版、2019年)、『文化情報学入門』(共著、勉誠出版、2006年)、『計量文献学の射程』(共著、勉誠出版、2016年)、『源氏物語語彙用例総索引 自立語篇/付属語篇』(共編、勉誠出版、1994年、1996年)、『紫式部日記語彙用例総索引』(共編、勉誠出版、1997年)、『シェークスピアは誰ですか?―計量文献学の世界』(文春新書、2004年)、『文化を計る―文化計量学序説』(朝倉書店、2002年)、『真贋の科学―計量文献学入門』(朝倉書店、1994年)、『工業統計学』(朝倉書店、1985年)などがある。

「2020年 『この本を書いたのは誰だ?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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