ミニマ・モラリア: 傷ついた生活裡の省察 (叢書・ウニベルシタス)
- 法政大学出版局 (1979年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784588000874
作品紹介・あらすじ
現代文明に無惨にも蚕食された個人生活の隠微な局面,あるいは個人との関わりにおいて捉えられた人生百般や文化の諸領域に深く立入り省察される著者の哲学の真髄。
感想・レビュー・書評
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◇らくがきメモ:
(p85)
「40 いつもそれを口にするがまともに考えたことはない」
”知識を与えられた人々は自省の仕事を放棄する”
葛藤の棚上げ。心地良いライフハックごまかしの採用。
じつはその場限りではないし、砂の城でもなんでもなかった、永遠に刻まれる魂の痕跡のようなもの。それが、何も自分のものとして残らない。
"自分を社会的権威と直接同一視するメカニズム"
フーコー Panopticon
"正常とみなされている行動様式はこのメカニズムの虜"
"葛藤も社会一般の病気として吸収される"
”どのみち成就の覚束ないカタルシスに代わって得られるのは、自身の欠陥が多数のなかの一例であるという喜び”
"ナルシシズムは自我が崩壊したためにリビドーの対象を失った"
”自我喪失状態こそは永続的な共有財産”となっている
”感動は、型通りの原子が型通りの刺激に対して見せる点滅自在な反射作用の一つにすぎなくなる”
”ブルジョアの自己批判があみだした精神分析は、ブルジョアの自己疎外を絶対化する具となり果てた"
(P92)
”その客観性なるものはこの世界を牛耳っている連中の主観の計算から出たもの”
”権力者としては今日個人主観によってのみよく保たれている客観性が恐ろしいのであり、したがって個人主観が無力であることを望んでいる”
◇ポエムメモ
・安全と引き換えに、死から遠ざかり、生命の熱を捨て去り、だけど中途半端にナマモノとしての感覚は残っているものだから、息苦しいギスギスした時代なんだろうねぇとは思うよ。
・っつても、人工的なものだからコントロール可能かっていうと、そういうわけではないから、hugeでfudgeな陰謀がありえるなら実は誰だって平服したっていい気分なんじゃないか?
・さっさと機械のカラダを手に入れて、プログラムとして流れゆき、消滅しちまうんだ。
・葛藤を捨てた豚舎メトロポリス。規格外とテロリストは山のなか。
山あいの廃屋でで現品限り・最期のロマンスが上映される。
・ほんの一滴の愛がふたたびカラフルに染めたなら、それはどこを探してもみつからなかった希望。詳細をみるコメント0件をすべて表示