ショーペンハウアー哲学の再構築 新装版: 「充足根拠律の四方向に分岐した根について」(第一版)訳解 (叢書・ウニベルシタス 937)

  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588009372

作品紹介・あらすじ

学位論文『充足根拠律の四方向に分岐した根について』第一版テクストの翻訳ならびにその綿密な読解を通して、従来のショーペンハウアー理解像の一新を図り、カントの問題意識を引き継いだ超越論哲学者としての姿を呈示する。2000年の初版刊行以来、好評を博す研究上の基本文献を、ショーペンハウアー没後150年となる2010年を記念して改訂復刊。叢書・ウニベルシタスでの新装版。〔哲学〕

感想・レビュー・書評

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  • 「意志と表象としての世界」の前提となる論文です。しかも、若い頃(25歳位)に書かれた一番最初の版です。なので、勢いがあって荒削りなところが妙にしっくりくるような感じです。
    これまで、「その根拠は?」などと聞かれて「根拠」ってなんだろう?って思ってドギマギしていたのですが、これからはじっくり考えてお応えできそうです。ただ、ぜんぜん身についてるとは言えない状況なので返答に少々時間を要するのは致し方ないのですが。
    ただ、なんでも速ければいいというものでもないし、そういうお話しなのだからじっくり考えて応えるというのはその場の状況に相応しいかもしれません。
    ショーペンハウアーさんのお説では、根拠には4種類あって、その一つ目は物質の変化の法則である因果律、二つ目は判断の真偽を確かめるためのルール、三つ目は認識そのものの枠組み(時間と空間の相互からなる枠組み)となるもの、四つ目が行為の元となる動機です。四つとも人が「なぜ?」と求めてしまうものに当たります。
    やはり、脳の機能ととても親和性があるような気がします。そこんところの関係は、またまた、おいおい考えていきたいな。

    Mahalo

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著者プロフィール

19世紀ドイツの哲学者。1788年、ダンツィヒ生まれ。富裕な貿易商である父と女流作家である母のもとに生まれる。父に連れられて幼少期からヨーロッパ諸国を旅行し、その経験が世界観・哲学観に影響を与える。父の死後、1809年よりゲッティンゲン大学で自然科学・哲学を学ぶ。1819年に主著『意志と表象としての世界』を刊行し、ベルリン大学の私講師となった。ショーペンハウアーの名が世に認められるようになったのは1851年に刊行された晩年の著『余録と補遺』であり、日本では『読書について』『自殺について』『知性について』などの抄訳で広く読まれている。戦前日本の若者たちには「デカンショ」として、デカルト、カントと並んでショーペンハウアーはよく読まれていた。

「2022年 『今を生きる思想 ショーペンハウアー 欲望にまみれた世界を生き抜く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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