秘義なきキリスト教 (叢書・ウニベルシタス)

  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588009570

作品紹介・あらすじ

1696年、三位一体論の秘義に関する教理論争中に刊行された理神論者トーランドの主著。ロックの経験論的認識論と推理機能としての理性を神学に適用し、「反理性」「超理性」の概念は観念の「矛盾」「欠如」であり、観念が得られない秘義は「無」であるとする。キリスト教という啓示宗教を基盤とする社会において自然宗教を真の宗教と見なし、国教会の統制下でキリスト教批判を展開した挑戦的著作。

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    1696年、反三位一体論争のさなかに刊行されたトーランドの主著。
    イングランドではミドルセックス大陪審により告発され、アイルランド議会下院では焚書・逮捕が決議された。
    啓示宗教を基盤とする社会において自然宗教を真の宗教と見なし、国教会の統制下でキリスト教批判を展開した問題作。

    [ 目次 ]
    第1部 理性について(理性でないもの;理性はどこに存するか;情報を得る手段について;確信の基盤について)
    第2部 福音の教理は理性に反するものではない(本当の矛盾または矛盾と思えるものを宗教のうちに認める不条理とその結果;この議論にかかわる啓示の権威について;キリスト教によって意図されたのは合理的で理解しうる宗教である。これを『新約聖書』に見られる奇蹟、方法、文体から証明する;人間理性の壊廃から引き出される異議に答える)
    第3部 福音には秘義的なもの、または理性を超えるものは存在しない(異邦人の著作に見られる秘義の由来と意味;あるものに関して、その特性すべてについて十分な観念を持たない、またその本質についてまったく観念を持たないことを理由に、そのものを神秘と呼ぶべきではない;『新約聖書』と古代キリスト教徒の著作における秘義という言葉の意味;聖書のある章句、信仰の本性、奇蹟から引き出される異議に答える;秘儀がキリスト教に持ち込まれたのは、いつ、なぜ、誰によってなのか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


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著者プロフィール

(John Toland)
1670-1722年。アイルランド生まれの思想家。名誉革命の動乱期にスコットランドのグラスゴー・カレッジで学んだ。ロンドンにやってくると、非国教徒内の同盟を推進する長老派ダニエル・ウィリアムズを支援して、その著作をジャン・ル・クレールの雑誌に紹介した。これによってオランダでの勉学の機会を与えられ、ベンジャミン・ファーリ、ル・クレール、フィリップ・ファン・リンボルクなど大陸の自由主義的プロテスタントとの交際を得た。帰国後、反三位一体論争のさなか『秘義なきキリスト教』(1696年)を匿名出版した。多数の反駁が書かれ、イングランドではミドルセックス大陪審の告発、アイルランドでは大陪審の告発と議会下院による焚書と逮捕・起訴が決議された。逮捕を逃れてロンドンにもどると、時事的な政治的著作・パンフレットの出版や、ジョン・ミルトンやジェイムズ・ハリントンなどピューリタン革命時の共和主義者たちの諸著作を編集出版し、「コモンウェルスマン」として活動した。後に『セリーナへの手紙』(1704年)、『パンテイスティコン』(1720年)などで唯物論的自然哲学を展開した。

「2016年 『セリーナへの手紙 スピノザ駁論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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