社会的なものを組み直す: アクターネットワーク理論入門(叢書・ウニベルシタス) (叢書・ウニベルシタス 1090)

  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (577ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588010903

作品紹介・あらすじ

主体/客体あるいは人間/自然といった二分法的世界認識を超え、脱中心的なネットワークとして社会を記述するアクターネットワーク理論。アーリ、ラッシュら多くの社会学者に影響を及ぼし、文化人類学、都市工学、情報工学にもインパクトを与えた画期的な方法論を、提唱者であるラトゥール自身が解説する。ヴァーチャル化、グローバル化が進む現代の知見をふまえてアップデートされたラトゥール社会学の核心。

感想・レビュー・書評

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  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001139408


  • 訳者の翻訳法は,ベルクソン研究者である岡部聡夫先生のひそみに倣ったものである(p.521)。岡部先生の翻訳法とは,「日本語として意味不明の訳文が,すべて誤訳であることはいうまでもない」(p.521)という考えのもと,自分自身に感情的基盤のある言葉で翻訳することである。それによって,たとえ間違った捉え方をした場合でも,正しい道を見出すための手がかりとなり,この意味で,明瞭に表現された誤謬は,曖昧な正しさより,はるかに貴重なのであるとされる(p.521)。
    
    本書はまさにそれを体現している。多くの批判や誤解さらされてきた難解なアクターネットワーク理論をできるだけ分かりやすく訳し,だからといって,正確さを犠牲にすることなく,入門書として最高水準の訳書を作り上げているように思う。
    
    訳者とそれを支えてくれた方々,それを取り巻くモノ(研究会など)のおかげであろう。
    
    個人的な感想として。
    
    難解なアクターネットワーク理論と書いたが,本書を読んでみて,実はかなりシンプルなことを言っているだけなのではないかと思えた。シンプルとはつまり,「人々の日常をできる限り記述していこう,それこそが社会である」ということである。
    
    記述のための方法はいろいろありえ,第一部では記述の対象について,第二部では記述の視点について議論している(と思う)。本書は方法(現象の分析方法)を教えてくれるものではなく,現象に対する捉え方/考え方を議論するためのものであろう。
    
    「入門書として最高水準」と書いたが,大学生にとっては「???」となることも多いかもしれない。心理学の学生であれば,『プランと状況的行為』『状況に埋め込まれた学習』『文化と状況的学習』『科学技術実践のフィールドワーク』あたりを読んでから,本書に入ると読みやすくなるのではないかと思う。
    
    個人的には上野直樹先生から入りました。
    

  • 非常に興味深い主張であったが、斬新であり過ぎてよく理解できない。まことに残念だ。

  • 500ページほどあり、最後のほうは力つきた。いろんな断片が、アイデアがちりばめられ、つまみ読みした感がある。なんとなくだけど、ガーフィンケルに着想してる部分大きいような。ミクロ、メゾ、マクロとかを別々のものと捉えず、同じ現象として、とらえ、大きな概念に回収せず、小さな具体的なものを紡いで、つないで、連関させていく。ミクロ即メゾ即マクロ的。再読したくなった一冊。

  • 学生とのインタビューがあったが、ANTについては明確な定義も説明もなかったような気がする。
     実際の研究について具体例を出してもらわないとわかりづらい。この本を参考にしてANTで論文を書くのは至難の業である。

  • 361||La

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