- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784588642050
作品紹介・あらすじ
消費とは何か。消費は社会に何を引き起こすのか。わたしたちはいったいなぜ、何のために消費するのか──コカ・コーラ、デニムパンツ、クリスマスギフトといった日常的な買い物から、国際金融、広告ビジネス、ジェンダー、大規模搾取、環境持続可能性をはじめとする社会の諸問題へ。人類学の第一人者が世界各地でのフィールドワークをもとに消費文化の現在と未来を考えた、定評ある入門書。
感想・レビュー・書評
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消費行為への肯定の書。
資本主義システムの分析の歴史において階級や競争といった概念の中に閉じ込められ、あるいは時に無視されてきた「消費」という人びとの営みに、多様な社会的意義や創造性を認めるべく、文化人類学の観点からの考察がなされる。生産の結果としての消費、というような従属的・副次的な見方とは対照的な、消費行為を主役の座に据えた理論が構築されていく。そこで肯定されるのは、資本主義の内で生きるすべての人びとの「日常」でもある。
いっぽうで、ボードリヤールに代表されるような従来の「消費」論を否定的に評価する際や、主流経済学の現実に対する無力さを糾弾する際には、それらを極端に単純化したうえで本書の主張に対峙させる傾向がみられ、やや勢い余っている感がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高い次元で消費を語っていて難解であったが、「そうやって物事を捉えるの?」って発想はすごく面白い。
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「消費文化」を(未開の地の文化の研究と同様に)文化人類学の研究対象として捉え、消費社会、環境、政治経済学へと議論を拡張していく。消費を文化人類学の視点で捉えていく面白さはあったが、読み解くには経済学についての前提知識も必要でちょっと難しかった。
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【書誌情報】
消費は何を変えるのか――環境主義と政治主義を越えて
著者:Daniel Miller 人類学
訳者:貞包 英之[さだかね・ひでゆき] 歴史社会学、消費社会論。
版型:四六判 / 302ページ / 並製
価格:3,520円 (消費税 320円)
ISBN:978-4-588-64205-0 C0036
2022年07月 刊行
消費とは何か。消費は社会に何を引き起こすのか。わたしたちはいったいなぜ、何のために消費するのか──コカ・コーラ、デニムパンツ、クリスマスギフトといった日常的な買い物から、国際金融、広告ビジネス、ジェンダー、大規模搾取、環境持続可能性をはじめとする社会の諸問題へ。人類学の第一人者が世界各地でのフィールドワークをもとに消費文化の現在と未来を考えた、定評ある入門書。
[https://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-64205-0.html]
【目次】
日本語版への序文
はじめに
第1章 消費の何が悪いの?
三人の対話
第2章 消費社会
コーラはいかが?
消費への欲動(ドライブ)
消費は資本主義的なのか?
サンタクロースは誰の味方?
結 論
第3章 なぜ買い物をするの?
買い物の第一の理論──ピーナッツ・バター
買い物の第二の理論──神への捧げもの(サクリファイス)
地球に優しくすることはむずかしい
第4章 なぜデニムなの?
グローバル・デニム・プロジェクト
ジーンズが普通のものになるまで
第5章 なんと愚かな経済
なぜ広告するの?
信念・認識論・経済学
集合的に「物ごとが起こる」ということ
ベスト・バリュー(最高の価値)?
ヴァーチャルはいかにリアルを生み出すようになったか
価値──問題から解決まで
第6章 地球を救う別のやり方
あとがき
訳者あとがき
原注
索引