- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784588682209
作品紹介・あらすじ
〈いつまでも子どものままの〉わが娘と歩んだ母親・ノーベル賞作家パール・バックの愛と勇気の手記。知能の発育が困難な子どもへの社会の無理解と偏見に悲しみ苦しみながら、弱い立場におかれた人たちへのヒューマニスティックな擁護・人間の尊重を訴える感動の名作。
感想・レビュー・書評
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避けることのできない悲しみを抱きながら生きる運命にあった女性のありのままの告白。その絶望は底知れず、恵まれた者の傲慢さを突き付けられる。長い悲しみの旅を経て辿り着いた、他者への奉仕と博愛の精神。多くを語らずとも、洗練された文章に胸が熱くなる。
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響いた言葉
p80
私が自分を中心に物事を考えている限り人生を耐えられないものであったのですそしてその中心をほんの少しでも自分自身から外すことができるようになった時悲しみはたとえ安易に耐えられないにしても耐えられる可能性のあるものだと言うことを理解できるようになったのです
p102
まず第一に幸福を。すべてのことは幸福から
p103
幸福の子供だけが学ぶことができるのです
p129
あきらめとは停滞であり死を意味します。消極的に受け入れることではそこからは何も生まれません
p139
かつてそうであったからといって永遠にそうであると言う事はありません
フェニルケトン尿症、かつて学校で学んだ病名が知能の遅れをもたらすものだとは知りませんでした。
パールバックさんのお子さんはこの病気で、知的障がい児になったとのこと。
生まれてきた意味、というものなんて持たずに亡くなる方が多い中で、パールバックさんは自身が積極的に行動することで娘の生まれてきた意味を作り上げた稀有な方だと思います。
私が彼女のことを知ったキッカケはハリウッド映画の大地ですが、そこから小説を読み、彼女の思想本を読み、ここに至ります。
この一冊で私の知りたかった彼女の全てのことを知ることは出来ないけれど、この本から受けた印象的な言葉は胸に留めておきたいなと思いました。
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新訳版で読む。
『大地』の作者としてのパールバックしか知らなかったので、別の面を知り、心打たれた。