少年たちの夏 (for Boys and Girls 17)

著者 : 横山充男

• ポプラ社 (2000年11月30日発売)

感想・レビュー・書評

[すゑさんの感想 · 2017年5月28日]

そうだった。
夏って、こうだった。
こうして夏を冒険していた。

たぶんこの本は、「現代」では取り扱いが難しい。ひと昔前の、まだ世間が色々なものにおおらかな自由を認めていた頃だからこそ輝いた作品だと思う。今だったら、川を自作のいかだで小学生がくだるのは危険行為とみなされるだろうし、貧乏長屋とか、やくざの親分とか、刑務所とか、そういう話題は隠しこそすれ大っぴらにひけらかすものではないと言われるだろう。

でも、そういう時代、が、きっと、確かに、存在していた。清流・四万十川のほとりではないにせよ、私ですら、そういう記憶はたくさんあって、キラキラと輝きながら私の心の中に生き続けている。

郷愁を感じさせる描写とともに展開する、前向きなエネルギーに満ち溢れた少年たちの夏の様子に、きっと誰もがつい引き込まれて夢中になってしまうに違いない。気持ちの良い、自分も一緒に冒険をしたかのような読後感を味わえる傑作。

[spreadwingさんの感想 · 2013年5月10日]

四万十川の景色が目に浮かぶよう。小学生最後の夏、三人の少年たちがそれぞれの思いを胸に秘めながら冒険に挑むところは、読んでて爽快。読後感のよい作品でした。

[yukkeさんの感想 · 2012年7月10日]

四万十川で川下りをする３人の少年の話

６４年の初夏

土佐弁がいいかんじ

ノスタルジィ

絵がいい

[mimocoさんの感想 · 2011年6月25日]

２００１．５．６
いい話！男の友情だー！なんだか最後がさびしかった。はなればなれになっちゃうから。

[Salut!さんの感想 · 2006年6月12日]

この町でぼくは生まれ、この町で育ってきた。そしてまもると圭造にあった。ぼくは四万十川とおまえらのことを、けっしてわすれない。1964年の夏は最高に熱かったんだ―。

著者プロフィール

横山　充男
高知県に生まれる。四万十川のほとりにひらけた町で育つ。『少年の海』で児童文芸新人賞、『光っちょるぜよ！ぼくら』で日本児童文芸家協会賞（ともに文研出版）。ほかに『少年たちの夏』、『水の精霊』シリーズ（ともにポプラ社）、『鬼にて候』シリーズ（岩崎書店）『ラスト・スパート！』（あかね書房）、『自転車少年』（くもん出版）など多数。

「2022年 『牧野富太郎 植物の神様といわれた男』 で使われていた紹介文から引用しています。」