東海道四谷怪談 (21世紀によむ日本の古典 20)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591071458

感想・レビュー・書評

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  • 7/26は幽霊の日

    幽霊より、人間のほうがずっとおそろしい…。
    すーっと背筋が寒くなるような古典文学の名作。

  • お仕着せの身分制度を自分の中の揺るがない指針だと信じて、目の前の刺激に右往左往する生き方はグロテスクだ。この人達に感情ってものはあるの?

  • 原作は鶴屋南北による歌舞伎の脚本なのだそう。あとがきや解説でそのあたりのことも説明されていてありがたい。
    東海道に関する本をと思い手にとったが、東海道は関係がなかった。ではなぜ東海道と付いているのかといえば、それも解説に書かれており、主演俳優が東海道をわたり一年の最後に出演する作品だったから、とか、「東海道中膝栗毛」の人気にあやかって付けたとか、諸説あるらしい。
    タイトルは怪談と名売っており、お岩さんの幽霊も出てはくるが、この物語のおもしろさはすべての登場人物の人間臭さにあると思う。そしてこの物語の恐ろしさは、人間が自らの欲望にかられて人間の心を失ってしまう瞬間に、あると思う。
    歌舞伎も見てみたい。
    20140717

  • 2014.6.29

    怖い怖い怖いっ!
    真の怖さは ここにあった

    伊右衛門たちの非道あってこその怨み恨めしお岩の祟り

    やはり祟られるだけの仕打ちがあるんだな…怖かった〜
    貞子はまだまだだった…

  •  1825年7月に中村座で初上演された四代目鶴屋南北の『東海道四谷怪談』。「あれっ、四谷怪談って東海道となんか関係あったけ?」と気になって読んでみたのですが、東海道と何一つ関係が無い。
     この作品の題名に何故「東海道」という言葉が取って付けられているのかは今ではわからなくなってしまったのだそうです。

     この作品は凄いですね。人間感情のリアリティとエグさが凄い。怪談なのでモチロン幽霊が出て来てそれなりに怖いんですが、それ以上に怖いのは生きてる人間の方だなあと、現代人だから思うのかわからないですが思いました。
    (一番ショッキングだったのはお吸い物の中に小判が入ってたシーン。これはえげつない)

     個人的にはシェークスピアの『リア王』を凌駕する悲劇じゃないかなと思います。その徹底的なリアリズムは実在した事件を元にしているということもあるんでしょうけど、大南北71歳の時の作品というのもあるのでしょうね。やっぱり上質な作品は還暦過ぎないと書けないものなのだろうなあ。

  • 2009年7月28日

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著者プロフィール

*2013年6月現在京都造形芸術大学教授

「2013年 『八代目坂東三津五郎 空前絶後の人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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