机のなかの竜の森 (おはなしパーク 5)

  • ポプラ社
3.50
  • (3)
  • (1)
  • (2)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 39
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (62ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591078785

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「『いい竜、売ってます』ぼくの小学校の前に、ふしぎな屋台がでた。どうしても竜がほしくてたまらないぼくに、屋台のおじいさんはきいた。「きみの勉強机は、なにでできているのかな?」第1回静岡県天竜市森林のまち童話大賞・大賞受賞作。小学校中学年から。」

  • 図書館本。机の引き出しに竜の卵、と言われるドングリを植えて育てます。想像力をかきたてる楽しいお話。

  • 【図書館】[岡本順の絵を追いかけて]『いい竜 売ってます』僕の小学校前に不思議な屋台が出た!どうしても竜が欲しくてたまらない僕に屋台のおじさんは「きみの勉強机は、なにでできているのかな?」と聞いてきた。このお話、すごく入り込んで、わくわくドキドキしながら読みました。子供になった気分で。

  • 木の机の引き出しに広がる、ちいさな自然。土をいれて雲をいれて、ドングリみたいな竜のたまごを植えると・・・。

    「いい竜売ってます」ぼくの小学校の前にふしぎな屋台がたっていた。「かわいい竜」「じょうぶな竜」「ものしずかな竜」売れないらしい屋台ののぼりは、毎日台詞がかわっていた。どうしても竜がほしいぼくは屋台のおじいさんと話した。おじいさんはぼくの机が木で出来ていると聞いて、ドングリを渡した。「これは竜のたまごさ」ぼくは机のなかでえ竜を育てることになった。一番下の引き出しを空にして、竜を飼うセットの土パックを出してひく。そして、ドングリ型の竜の卵をたくさん植える。説明書どうり、雲のパックにジョウロで水をそそぎ、引き出しの中に注ぐと綿菓子みたいなのがでてきて、チカチカと雷を出した。「川」「風」を入れてやるとやがて木が生えてきた。友達にもドングリと竜栽培セットをあげて、木の引き出しで育てることを約束した。引き出しの森は蛍などの昆虫がふえ、小さなリスがいたり・・・そして、木々は落葉して引き出しはめっきりさびしくなった。北風が吹き、水をやることもできなくなってしまった。年末、除夜の鐘を聞きながら、寂しくなった引き出しを見て泣いていると、その涙が引き出しに落ちて、そこから竜が現れた。青銀色のトカゲほどに小さいけれどりっぱな竜。古い机はすがたをぐんぐん変えて、枝をのばして木になった。そして独りでに窓をひらいて竜は飛び去った。町をみると、他にも、家から木の枝がでているのが見える。友達の家だ。竜たちは空へ空へ舞い上がり、天の川へと飛んでいった。
    ファンタジーへの入り口も面白いし、自然を大切にという願いもこもった物語だと思う。

  • 「ほんとにメスだったら、よかったのにね」
     すると、お父さんがぼくの頭に手をおいた。
    「メスでなくても、おとうさんは、ピヨ子のことが大好きだったよ」
     ぼくは、小さくうなずいた。


     かわいたタイルみたいに、いっしゅんひやりと冷たくて、すぐにさらっとなめらかな肌ざさり。銀細工みたいなうろこがこすれて鳴って、耳のそばで、ちりちりと鈴のような音を立てる。
     竜の体からは、ひきだしのなかの初夏の森とおなじにおいがして、おでこのあたりが、すうっとすずしくなる。

全6件中 1 - 6件を表示

ほんだみゆきの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
エリザベス・ジョ...
オトフリート・プ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×