ふーことユーレイ(14)ユーレイ・ラブソングは永遠に (ポプラポケット文庫 57-14 ふーことユーレイ 14)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 26
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591103739

感想・レビュー・書評

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  • 霊界との取引で和夫との記憶をすべてなくしたふーこ。しかしところどころ刻まれた懐かしさの正体に戸惑うふーこの前に、再び転校してきた葉月くんが現れる。そして不意に知ってしまう、和夫の名前―ーふーこは和夫との記憶を取り戻せるのか? 人間とユーレイ、運命に引き離される二人の恋の結末は。

    はい。最終巻です。あー……そーゆー終わり方ですか…………これは今回表紙詐欺やな これは……これは確かに鬱エンドだな。いや鬱じゃなくて前向きな終わり方なんだけどさ。なんていうか乙女ゲーにおける一見バッドにしか見えないけどハッピーエンドみたいな…。ソラユメをちょっと思い出したかもなあ。思い出したって言うなら、まあふーこは叛逆前のほむらちゃんそのものだなって言うか。
    なんか鬱エンドみたいな情報はチラッと見てて。でもそのエンドが気になるから読み始めたわけじゃなくて、単に小学生の頃気になってたけど読めなかったから読み始めたんですが、ユーレイとの恋愛なんて最初から終わってるようなものじゃないですか。だからどっちみちまるっとおさまるエンドではないのだろうなあと。しかも死んだら和夫とは会えないって制約があって、だからふーこは生きていなくてはいけない。でも生き続ける限りふーこは生者で和夫は死者で、誰もその理を覆すことは(霊界でも)出来ない。それでも一緒にいる為にはどうする? 死者の誰かを甦らせるのではなく、あくまで生かし続けるには? それは生者の方がずっとずっと忘れないでいること。すべてを忘れている前提のふーこから始まった今回なので、ここに帰結するのはある意味必然だったのかも知れないですね。あなたがくれた命で、私はあなたと共にこれからを生きていく。うん、確かに見た目的には悲劇的な結末かもしれないけど、とても前向きだと思う。aikoの「花風」を流したい気分です。
    最後の急展開の前の家族とのほのぼのシーンとかもう全部不安を煽るものでしかなかった・汗 あらゆる鬱作品を乗り越えてきた故についた耐性である…… 今回携帯電話やメールが出てきて、一気に社会変わったな~と思いました。考えてみれば私も携帯持ち始めたのこの作品が出た年の2001年だわ。

    ユーレイと生者との恋愛。考えてみれば両者の対比が強烈過ぎるほど、その差異こそが作品の主題そのものなんでしょうね。「生きている」ということ、「生きる」と言うこと、それがどれだけ大切かと言うことを、シリーズ通して、特に後半ではより強く描かれているような気がしました。岩松さんのことにしたって、もう長くない状況でかつての想い人と再会し、しかもその人との間に子供がいて、そして孫までいて、それで手術を受けて少しでも長く生きていこうと思えるようになるかもね、っていう顛末もじんとしました。
    小学生の時分に読めなかった私に読んだよ~って念を送りたい。一年前に急に止めてしまって、急に再開したこのシリーズの読書だけど、うん。読んで良かったです。ふーこがあんなに無理しなければ、ってやっぱり思うけど、ふーこも和夫も一生懸命で、そしてここに辿り着いたんだと思うと二人のこれまでを無碍には出来ません。当時読んだ人もまだ読んでない人も改めて読書する機会があるといいなあと思ってます。

  • 小学生の頃、大好きだったシリーズの最終巻。
    つい先日、いつの間にか完結していたことを知って購入。
    どんな結末を迎えるのかわからなくてモヤモヤしていたので、そういう意味ではスッキリ。

著者プロフィール

東京都生まれ。児童文学作品を中心に幅広く活躍。作品に『赤い実はじけた』(PHP研究所)「ふーことユーレイ」シリーズ『風夢緋伝』(共にポプラ社)『レネット 金色の林檎』(金の星社)『小説キャンディ・キャンディFINAL STORY』(祥伝社)『ラ・プッツン・エル 6階の引きこもり姫』(講談社)など。

「2018年 『窓をあけて、私の詩をきいて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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