風の陰陽師〈4〉さすらい風

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 96
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591107478

感想・レビュー・書評

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  • 最終巻となりました。平将門を操る黒主を追いかけ、晴明、保憲、道満が東国に集ってきます。途中、運命なんでしょうね。道満と出会い、共に過ごしたあの女性が、あの人だったなんて。これには驚きました。その女性と気持ちが通じ合ったものの彼女を亡くし、更に黒主のせいで大切な友をも亡くしてしまった道満。そこで彼は悔い改めいい人になったかと言えば、相変わらずのふてぶてしさのままでしたが(笑)それでも、道満やっぱり変わったと思います。短命かと思いましたが長生きしましたね(笑)また、晴明にも大切な彼らとの再会がありました。なんとワンちゃんと牛さんが!でも彼らも亡くなってしまいます。やっぱり戦のお話では、死というものを避けて通れないんでしょうね。黒主は結局、病のために何一つ野望を叶えることが出来ませんでした。魔に魅入られ黒主として生きた人生。最期を看取ったのは息子の保憲でした。これも運命なんでしょう。将門はじめ多城丸も将文も、たくさんの命を犠牲にして物語は終焉を迎えました。将門という人物像は、現代においても魅力溢れるキャラなんでしょうね。彼に対する想像がどんどん広がっていくのですもの。わたしの大好きな夢枕獏版『陰陽師』でも、将門、晴明、俵藤太の物語は、群を抜いて面白いのですから。それにしても、将文どのっていい人すぎますよ。彼の恋、実ってほしかったな。ほんのひとときでも幸せになってほしかったです。この物語の主人公、晴明のラストにはそうきたか!・・・でした。

  • 将門と同じ時代とは知らなかった。そしてこの本では道満は晴明に扮し、晴明は小夜と一緒に旅をしながら貧しい人達を助けて生きていく選択をする全て丸く収まり終わりとなる。現実の道満はいついなくなったのだろう。道満に関してはほとんど知らないので道満の資料を今度読んでみたい。

  • ぼくは、ち徳がかっこよくてやさしいから、一番好き。
    晴明もち徳が好きだと思う。ち徳みたいにやさしくて、まじめで、顔もかっこよくて、おん陽道が上手で、晴明はかっこいい。
    赤びと真ひ古が赤彦と黒丸だったことにおどろいた。2人が最後まで晴明と一緒にいたのはやさしくてうれしい。でも、死んじゃったのがさびしい。
    忠行が黒主だとは全然思わなかったから、それにもおどろいた。おん陽道が上手で、やさしい忠行が好きだったから、これもさびしい。
    道満を元にもどそうとしてがんばっていたさぎまろも好きだったから、これもさびしい。
    おもしろかったけど、とにかくさびしくなっちゃった。(小4)

  • 3巻はなかなか読めずに息子が返してしまったので、飛ばして4巻。
    シリーズの中で一番面白かった。
    重要人物でもちゃんと戦いで死んだり、動物との絆を大事にしたりと人間臭くていいなと思った。
    最後はイマイチ納得できないけれど。

  • 多城丸と小枝が仲間として一緒にいる平将門の弟の将文に、将門の妻の花世が奇妙なふるまいをするようになったので、助けてほしいと頼まれ、下総へとむかうことになった安倍晴明。道中で、黒い子犬に出会い、なぜか晴明についてくる。同様に赤い牛に出会い、それぞれ「黒丸」「赤彦」と名付け、一緒に旅することに。花世にとりついていたものを祓うと、今度は小枝がさらわれた。またしても、黒主の策略が。そして将門を操っていた。謎の陰陽師の藤原黒主の正体は?晴明はどうする?

    平将門も安倍晴明も実在した人物ではあるが、この物語は作者の創作。こういうのって面白いよね。この4巻がシリーズ最後だそうな。黒丸と赤彦がいいよ~普通の犬や牛じゃないよ。
    全4巻おもしろかったが、ラストがちょっと・・

  • 平安時代の陰陽師、安倍晴明が主人公のファンタジー。

    最終巻である。何でも物語が終わるときには物悲しいものがある。
    安倍晴明が当時の人間にしては長生きだったことは聞いたことがあるので、晴明は死なないとは思っていたが、まさか道満。
    しかし、針を使わなかったら100歳以上まで生きていたのだろうか。サギ麻呂や多城丸、黒丸こと真比古、赤彦こと赤眉が死んでしまったのは残念。この状態で小枝と晴明が生き残ったことが意外だった。
    風の陰陽師というくらいなのだから、最後は風の術がきちんとでてきたし、風のように行方を知らないということで奇麗に終わったように思う。

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著者プロフィール

1939年東京に生まれる。
早稲田大学文学部卒業。児童文学作家。
主な作品に、「おとうさんがいっぱい」「風を売る男」「ものまね鳥を撃つな」「風の陰陽師」などがある。

「2019年 『漱石と熊楠 同時代を生きた二人の巨人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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