レナとつる薔薇の館 (ノベルズ・エクスプレス)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 44
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591133736

作品紹介・あらすじ

たった一人の家族、お父さんが、船の事故にあった。でもきっと、無事で帰ってくる。レナは、ひいおじいさんかもしれない人のお屋敷を訪れます。庭に美しい紅薔薇が咲きみだれる立派なお屋敷、しかしそこは吸血鬼の館とうわさされていて-。一人の少女が、みずからの生きる道を見つけていく物語。

感想・レビュー・書評

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  • 本来高い身分の少女が親の死をきっかけに不幸のどん底に転落していく、小公女的なお話かと思いきや、まさかのミステリーものでした!
    謎に引っ張られて、途中からどんどん読まされちゃいました。
    いかにも少女チックなタイトルと表紙からは、いい意味で裏切られた感じです。

  • ヴィクトリア朝時代の少女が、父親を亡くしてひとりぼっちになり、「つる薔薇の館」にひきとられる……というお話。私の好きなネタが詰まっていて、これはそそられます。レナが「お金持ちにひきとられてうっきうき!」ってタイプでもなくて、メイドでよかったんだけどな〜というモードなのがまたよし。失うものがない子はこわいね。

  •  1870年。ロンドンに住む11歳のレナ。父がセイロン島に行くことになり、伯父の家にあずけられた。ところが、レナの父の乗った船が遭難した。いとこたちは、黒髪で肌の浅黒いレナを「ジプシーの魔女」と呼び、いじわるばかりする。伯父の家は、レナにとって居心地のいい場所ではなかった。
     レナは、もとは母のものだった古いトランクの中から、レナの祖父がその父にあてた手紙を発見。自分にとってはひいおじいさんにあたるその人物の住む屋敷を訪れる。

  • 小森香折の新作。
    今回は児童文学作品なので
    メッセージ性の強い作品で
    差別・偏見・思い込みなど
    そういうことはいけませんよと
    いうことが物語の中に盛り込まれていて
    とてもよかった。
    やっぱり児童文学は好きだな。

  • はじまりはよくある感じ…?と思ったら、なかなかどうして!
    ハラハラ×ドキドキ!
    でも、謎はきちんと気持ちよく解決してます。
    物語の根っこにあるのは、差別・偏見かな。まっすぐな感じが伝わってきて、すっきり読めました。。
    表紙の雰囲気は好きだけど、挿絵は所々古さ?(←悪い意味じゃなくて)を感じるようなものもあって、児童文学っぽいというか、「名作劇場」的な懐かしさを感じました。

  • 小公女セイラばりの活躍をする女の子、レナが主人公です(笑)
    レナの母親は既に亡くなっていて、父親も行方不明。引き取られた叔父の家では子供たちからいじめを受ける。そうしていると、レナの祖父が実は有名な地主の家柄の出身だったことが判明し、レナは叔父に身売りされる前にと逃げ出して、祖父の実家を訪れる……

    と前半はこんな感じのありきたりと言ってしまえばありきたり(?)なストーリーなのかもしれませんが、楽しかったです。
    とくに良かったのが後半のレナが、自分の不吉とされる緑の目と、母親の身分で、周りから誤解を受けることについて言った言葉が印象的でした。
    たぶん魔女狩りとかが背後のテーマとしてあるのだろうと感じます。

    結末も先が読めてしまうのですが、レナがどうなるのだろう、とは多々気になりましたし、児童文学らしい分かりやすい描写もとても勉強になりました。
    レナが人形に救いを求めつつも、気を張って言うべきところはちゃんと発言するというのにも好感が持てましたし。

    私のようなひねくれ者が読むのでなければ、たぶんもっと楽しめるお話だと思います(苦笑

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著者プロフィール

東京都に生まれる。『ニコルの塔』でちゅうでん児童文学賞大賞、新美南吉児童文学賞を受賞。作品に「青の読み手」シリーズ、「歴史探偵アン&リック」シリーズ、『夢とき師ファナ』『時知らずの庭』『ウパーラは眠る』など、翻訳に『リスベート・ツヴェルガーの聖書物語』などがある。

「2023年 『黒の皇子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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