花咲小路一丁目の刑事

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591136805

作品紹介・あらすじ

非番の刑事も、忙しい。
商店街のよろず相談、引き受けてます(いつのまにか)。

舞台は、地方都市によくある小さな商店街「花咲小路商店街」。
「元・泥棒紳士」のセイさんも隠居暮らしをしているここ花咲小路には、
ほかにもたくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起こっている。

今回の主人公は、商店街で「和食処 あかさか」を営む祖父母のもとに居候することになった若手刑事。
引っ越してきて以来、たまの非番の日になると必ず、
祖母経由でご近所さんからの相談ごとを持ち込まれるようになってしまった。

死んだはずのおじいさんから手紙が届くようになったラーメン屋さん一家や、
本の上にフルーツがひとつずつ置かれるようになった本屋さんからの相談などなど、
よろず相談事を、商店街の人々の力を借りながら解決していく。

感想・レビュー・書評

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  • 今回は前回のセイさんから主人公が替わって、花咲小路商店街に戻ってきた刑事、淳ちゃん。戻ってきて早々、祖父母の営む食堂の前で歌う一人の女の子。なんとなく不思議な感じがして気になる様子。彼女の正体は?
    淳ちゃん刑事は非番におばあちゃんの梅さんからご近所の悩み解決を頼まれる。
    同僚のゴンドさんも食堂の常連さん。

  • ことさら難しい表現を極力使わず、分かりやすい言葉だけの児童文学のような作品。
    ポプラ社といえば、小学校の頃よく読んだもんな。
    だからだろうか。

    旧き良き時代の面影を残した街である花咲小路に刑事として戻ってきた主人公の淳。
    その花咲小路で繰り広げられる、猫騒動、天国からの手紙騒動、テイラーメイド騒動、檸檬騒動、<あかさか>での騒動という、五つの事件を題材にした物語。
    ほんわりとした語り口の一人称。
    実に読みやすい話でわずか2時間で読了。
    軽すぎてやや物足りなさも多少感じるが、面白い。
    作品中に出現する街の人たちの人情味あふれる心の温かさ。
    ほのぼの、ふんわかとした内容で、読後感も爽やかである。
    小路幸也という作家はこういう語り口が得意なのだろうか。
    もう何作か読んでみたいと思う。

  • 花咲小路に戻ってきた淳ちゃん刑事の非番の日の解決するあれこれ。刑事ものでこういう平和な物語は初めて。朝食の描写がおいしそうでたまらない。

    おじいちゃんは背中に立派な龍をもっているが、いまは立派な料理人。実はおばあちゃんも〈散らずの梅〉という二つ名があったというのが、驚きだった。その他の登場人物もいろいろ個性があって、面白かった。シリーズでいろいろありそうなので、他を読むのも楽しみ。

  • 期待を裏切らないシリーズ2作目。ほのぼのとした気持ちになります。この作者は人と人の繋がりを大切にしているなあと強く感じました。

  • 勤め先の書架にあり、表紙の絵が好みだったので読んでみた。
    小路幸也さんといえば、東京バンドワゴンがテレビドラマ化されたが、見なかったのでどんな話を書く人なのかな〜と読み進む。

    ここ最近絶滅しつつある、下町風人付き合い。
    ああ、いいなぁこういう町、こういう人間関係。
    心を温めてくれる一冊。

    後から四丁目の方が先だと知った…。

  • 東京バンドワゴンを彷彿させるようなお話。しかも、飽きずに一気に読んだ。こういう小路さんの本好きです。
    シリーズを読んでみようと思ってます。

  • 四丁目の聖人は凄かったけれど、一丁目の刑事はどんな人かな~?(^^)と思ったら、非番の日に嫌な顔をせず商店街の人のため頑張る善い人!(゜▽゜*)淳ちゃん刑事の心の声に癒される~(^^)♪それにしても、花咲小路商店街の人達は凄い人ばかりだな!( ゜o゜)次は誰の話なのか楽しみ♪

  • 「ジュンちゃん刑事」って、何だか子ども警察みたいでかわいらしい。それだけ、老若男女問わず花咲小路商店街の人々に慕われてていいですね。家族がこれだけご近所にふれ回っていると、私だったら辟易するところですが、この淳ちゃんが素直というかお人好しというか。商店街で起こる日常ミステリなので、気軽にほんわかした気持ちで読めました。相談事を引き受けてくるばあちゃんに頼まれて、非番なのに結局頼まれてる淳ちゃん。どの問題もきっちり解決してるものはないのですが、それでも多分いい方向にいったんだろうなと想像できます。あえて続編の方から読んだのですが、1冊目から読んでればミケさんの正体とつながったのでしょうか?逆になりましたが、聖人の方も読んでみたいと思います。やっぱり商店街と日常ミステリ、好きだな~(^^) 「悪い方に考えりゃあ何でも悪く思える。良い方に捉えりゃあ良く思える。人間誰もが完璧じゃねぇし、聖人君子でもねぇ。」「普段の刑事のおめぇは疑うことから始めるのが仕事なんだろうけどよ。休みの日は信じることで終わってみるのも一興じゃねぇのか」じいちゃん、ばあちゃん、花咲小路の皆さん、本当にいい人たちだ~。

  • +++
    たくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起こる花咲小路商店街。今回の主人公は「和食処あかさか」を営む祖父母のもとに居候中の若手刑事。死んだはずのおじいさんから手紙が届くようになったラーメン屋さん一家や、本の上にフルーツがひとつずつ置かれるようになった本屋さんからの相談など、非番の日になると必ず相談ごとを持ちかけられるようになってしまう。
    +++

    花咲小路シリーズであるが、今回の主人公は、セイさんではなく、<和食処あかさか>の夫婦の孫で新米刑事の淳さんである。しかも、刑事としての活躍は描かれておらず、非番の日におばあちゃんに頼まれたご近所の困りごとの解決に奔走するばかりなのである。だが、その様子が淳さんの人となりがよく現われていて好感が持てる。そしてやはり花咲小路が舞台なだけあって、謎があちこちにひっそりと横たわっていたりもするので、わくわくするのである。セイさんがらみの人間関係もまだまだ広がりを見せているようなのも嬉しいところである。次も愉しみなシリーズである。

  • このシリーズの世界観がすき。
    シリーズ一作目より読みやすい。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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