お宿如月庵へようこそ: 湯島天神坂 (ポプラ文庫 な 11-4)

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591156353

作品紹介・あらすじ

<内容紹介>
時は江戸。
火事で姉と離れ離れになった少女・梅乃が身を寄せることになったのは、お宿・如月庵。
如月庵は上野広小路から湯島天神に至る坂の途中にあり、知る人ぞ知る小さな宿だが、もてなしは最高。かゆいところに手の届くような気働きのある部屋係がいて、板前の料理に舌鼓を打って風呂に入れば、旅の疲れも浮世の憂さもきれいに消えてしまうと噂だ……。
梅乃は部屋係として働き始めるが、訪れるお客は、何かを抱えたワケアリの人ばかり。
おまけに奉公人達もワケアリばかり。美人で男好きな部屋係に、いつもパリッとしているがやたらと強い中居頭。強面で無口だが心は優しい板前、宿に来るお客を全て覚えている下足番。そしてそれらを束ねる女将。
個性豊かな面々に囲まれながら、梅乃のもてなしはお客の心に届くのか? 
そして、行方不明の姉と再会は叶うのか?
心温かくなるお江戸人情シリーズ第一弾!

<プロフィール>
中島久枝
東京都生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業。フードライターとして活躍中。『日乃出が走る』で第3回ポプラ社小説新人賞の特別賞を受賞しデビュー。同作で歴史時代作家クラブ賞新人賞ノミネート。著作に『金メダルのケーキ』『いつかの花』など。

感想・レビュー・書評

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  • 舞台設定に惹かれて呼んだ。
    神客万来!という作品が好きなのですが、それに似た雰囲気を持っていて読みやすかった。
    癒しと希望を貰える作品。
    ただ、時代モノオタクとしては少し物足りなさを感じたので、誰でも読みやすい時代小説というような立ち位置かな?

  • 読み始めてすぐに引き込まれた。
    様々な出来事が、謎解きのように回収され読後は心地よい。

  • 初めて読んだ時代小説だが、堅苦しくなくて気軽にスラスラと読めて良かった。
    宿泊客の事情に梅乃が首を突っ込んでしまう気持ちも分かるし、応援したくなってしまう。
    出てくるお料理も美味しそうで良いお宿。
    今後の梅乃の成長や、秘密を隠し持った宿が気になる。続編も読んでみたい。

  • 梅乃が如月庵で働き始めるまでがあっという間に話が進んでしまい、もうちょっと背景を厚く知りたかったなとは思ったものの、如月庵でのエピソードが面白く引き込まれた。とても美味しそうな料理の描写があるのもよい。生き別れになったお姉さんとの再会はシリーズの次の巻に続くのかと思いきや、再会までこぎつけたのは意外だった。その詳細は次巻で語られるのだろうか。続きも読んでみたくなった。

  • 図書館で借りたもの。
    時は江戸。火事で姉とはぐれた梅乃が身を寄せることになったのは、旅の疲れも浮世の憂さもきれいに消えると噂の隠れ宿・如月庵。クセ者揃いの奉公人と、ワケアリのお客たちに囲まれて、梅乃は新米部屋係として奮闘するが…。

    教育係の桔梗さんの言葉が良かった。
    『お客さんの意向を汲むのは大事だ。だけど、言うなりになるのは違う』

    とても居心地が良さそうな如月庵。泊まってみたいなぁ。
    名前の由来も素敵だ。
    『如月というのは二月、一年で一番寒い日だ。もう一枚、着物を重ねることから衣更着、のちの時代に如月の字があてられたそうだ。心配事や悲しいこと、辛いことを抱えた人に、そっともう一枚着物をかけてあげるような宿でありたい。そこから名付けられた。あたしたちが出来るのは、その程度のことだ。だけど、これだって簡単なことじゃない。部屋係、板前、玄関番、風呂を炊く男衆たち、みんなが心を合わせて、はじめてできる』

    如月庵の奉公人の皆にもそれぞれ秘密がありそうで…。
    梅乃の成長とともに楽しみにしておこう。

  • 「平気。平気。そんな根性の狭い神様はいない」

  • お宿如月庵へようこそ ー 湯島天神坂シリーズの1作目 
    2017.10発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。

    悪戦苦闘の部屋係、雪に涙の花嫁御寮、和算楽しいか苦しいか、一人寂しい河童の子の4話。

    火事で姉とはぐれた梅乃が、噂の隠れ宿・如月庵(きさらぎあん)で新米部屋係として奮闘する物語です。

    梅乃は、どうしてもお客の事情に首を突っ込んでしまう、そして女将から「部屋係に大切なのはお客をよく見て、自分が何をすべきか、何ができるか考えることだ」と言われるが、親身になり過ぎて、つい、つい……、それを如月庵の皆が助けていい方向へ持って行きます。

    【読後】
    第3話の「和算楽しいか、苦しいか」では、とうとう最後に涙が出てしまいました(涙)。
    字が小さすぎて読むのが、本当に大変でした。
    しかし、次作も読むのが楽しみです。
    2020.11.20読了

  • 生家を火事で失くした梅乃は生き別れとなった姉、園を探すため、湯島天満宮の近くにある宿「如月庵」で女中として働くことに。そこで出会う人々や、初めての仕事で成長していく姿を描く。

  • 黒船来航間もない時代を舞台にしたお江戸人情譚は他人に優しい市井の人々の息づかいが聞こえてくるようで、日々の人間関係に疲れてやさぐれた気分をじんわりとほぐしてくれました。お宿の奉公人たちの連携の鮮やかさも胸のすく思いでした。

  • 目立たない仕事でも
    責任持ってやろうとすると大変なんだと
    しみじみ。

     シリーズあるみたいなので
    続きを読みたい♩

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