(図書館版)名作裁判 あの犯人をどう裁く? (ポプラ選書 未来へのトビラ File No. 9)
- ポプラ社 (2019年4月2日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591160961
作品紹介・あらすじ
■10代からのいちばんやさしい裁判入門!
完全犯罪、死体なき殺人、未成年の凶悪犯罪、
マインドコントロール……あなたならどう裁く?
名作を通じて刑事裁判の本質を体感できる画期的な入門書が誕生!
Q.『容疑者Xの献身』→献身的な犯人が犯した最大の過ちとは?
Q.『罪と罰』→罪を正直に告白した青年に科せられた懲役8年の罰は妥当か?
Q.『羊たちの沈黙』→猟奇殺人者を「責任能力なし、無罪」にすることは可能か?
Q.『陽のあたる場所』→事故か殺人かの区別がつかない事件はどう裁く?
他11の事例が登場
■内容紹介
『ウエスト・サイド物語』『異邦人』『1Q84』『悪人』など、
犯罪をテーマにした古今東西の名作たち。
そこに登場する犯罪者たちが、現実の世界で裁判にかけられたとしたら?
本書では、元裁判官が15の文学・映画を題材に、実際に判決を下していく。
人が人を裁くとはどういうことなのか。
意外と知らない刑事裁判の世界へようこそ!
■森 炎(もり・ほのお)
1959年東京都生まれ。東京大学法学部卒。東京地裁、大阪地裁などの裁判官を経て、弁護士。裁判官時代には、官民交流で民間企業に1年間出向勤務した。著書には、『死刑肯定論』『司法権力の内幕』(いずれもちくま新書)、『死刑と正義』(講談社現代新書)、『なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか』『量刑相場』(いずれも幻冬舎新書)、『裁く技術』(小学館101新書)、『裁判員のためのかみくだき刑法』(学研新書)、『教養としての冤罪論』(岩波書店)、『司法殺人』(講談社)、『虚構の法治国家』(共著、講談社)など。
感想・レビュー・書評
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表紙が子供向けのように見えた。
実際に見てみたら、大人でも読める。
NHKの昔話法廷みたいな感じだった。
原作のほうも読んでみたい。
また読み直したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昔話法廷を現代の名作に置き換えたものという感じかな。
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罪と罰のような古典やゴッドファーザーのような名作映画、さらには容疑者Xの献身といった比較的新しい小説で起こった犯罪を現代の法律で裁くといった切り口で法律を学べる本。
一つの作品ごとに「殺人の定義」や「警官殺しは罪が重いか」などテーマを絞って簡潔に解説されておりわかりやすい。
ただし、作品によっては核心部分のネタバレが含まれているので、ネタバレなしで読みたい作品がある場合は飛ばして読んだほうがいいかもしれない。 -
表紙の絵と字の大きさから児童書かと思ったら、しっかり大人も楽しめる本だった。色々な名作が実際に裁判で裁かれたらどうなるのか、というのをきっかけに、法律の原則や仕組みの勉強になった。「刑事裁判というのは、検察側・弁護士側のどちらが正しいのかを判断するものではありません。あくまで、検察側の立証が十分かどうかを判断するものです」は、へぇと思った。他にも命に重い軽いはなく、被害者に落ち度があったかどうかという観点とかね。本筋ではないけれど、題材として使われた「罪と罰」の要約は素晴らしい!非常にわかりやすかった。