- Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591170069
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
面白く一気に読んだ。しかし、詰めの甘い設定が気になった。
当時の京阪電車特急は丹波橋駅に停車しない。
丹波橋駅からは伏見桃山城行きのバスはなかった。
京都の人は男児への二人称に「僕」とは言わず、「ぼん」と言う。
京都の人は「大文字焼き」とは言わず、「大文字送り火」「大文字」「送り火」と言う。 -
第10回(令和4年) 京都本大賞 受賞作。
1970年代、 京都河原町の繁華街を 毎日悠然と歩く 「河原町のジュリー」と呼ばれるホームレスがいました。彼は実在しています。著者は彼を追って 虚実を織り交ぜながらしみじみとした作品に仕上げました。
ジュリーとは当時 絶大な人気を誇った 沢田研二の愛称。ホームレスでありながら 河原町 界隈ではジュリーと親しみを込めて 呼ばれ、亡くなった時には 新聞記事にもなったという「河原町のジュリー」。
彼は一体誰で、なぜ毎日 京都の繁華街を徘徊していたのか ‥終盤でその謎が解き明かされた時、その悲しい過去に涙がこぼれます。
ネットで 「河原町のジュリー 」を検索してみてください。実際に 彼に出会った人々が描いた似顔絵が何枚も出てきます。どれもみんな可笑しみがあります。
あの時代の京都の町の人たちにとっては「河原町のジュリー」さんは、かけがえのない風景の一部だったのかもしれませんね。 -
河原町のジュリーという実在の浮浪者から膨らませた物語。
1979年を中心に進む。
コロナ禍をこえた今へ時代は繋がっているのだと、戦争は実際にあったし、たくさんの人が亡くなって、生き延びた人がいて、街を守り続けた人がいて、貧しくても裕福でも生きてきて、、、
軽い気持ちで読んでみたら意外と深い内容だった。