- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591172117
作品紹介・あらすじ
【『宝石商リチャード氏の謎鑑定』著者がおくる、若手アクション俳優&孤高の天才演出家の青春演劇バディストーリー!】
ある事件をきっかけに芝居ができなくなってしまったアクション俳優の二藤勝は、今をときめく天才演出家・鏡谷カイトから新たな劇の主役に抜擢される。勝は俳優生命をかけて、初めての舞台に挑むことに。
様々な困難を乗り越えて、勝は劇を成功させることができるのか?鏡谷カイトが勝を選んだ理由とは――?
飄々とした実力派俳優、可愛い子役の少年、不真面目な大御所舞台俳優など、個性的な脇役たちも物語に彩を添える!
舞台にかける夢と友情を描いた熱い感動の青春演劇バディ・ストーリー!
感想・レビュー・書評
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演技をする上で、役をどう解釈し、自分の演技に昇華させるのか、
そこは役者さん個人個人で過程は違うと思うし、なかなか言語化は難しいものかなと。
それを先生は、小説の登場人物になりきって、その人がどうやって役づくりをしていくのか説明されているのが、すごいなと思った。
人間生きていればいくらでも、言葉では顕すことができない想いを抱えているけれど、
それを第三者にもわかるように、その言葉にならない想いを言葉に落とし込む。
自分の淵から言葉を探し続けるというのは、自分に向かって戦いを挑み続けるような、過酷な作業なんだろうなと想像した。 -
最近まで戦隊モノに出演していた二藤。あることがきっかけで、それ以降は活躍しなくなった。そんな状況の中、新進気鋭の演出家・カイトから、舞台のオファーが来た。カイト直々のオファーに周囲は困惑。何故自分に?
実際カイトと会ってみると、衝撃の真実が。高校の同級生だった。しかもカイトはいじめられていた過去があり、二藤は生徒会長だったが助けることができなかった。
そんな心境ながらも、二藤は舞台を始めることにした。
苦難の連続ながらも、舞台の幕が上がる。
舞台に情熱を注いでいく大人達。作品の表紙は、漫画チックでラノベっぽい雰囲気を醸し出していますが、中身は
青春ドラマを読んでいるようでした。
過去に問われながらも、二人を含め、みんなで一つの作品に励んでいく姿に青春の風を感じました。
舞台が完成されるまでの行程だけでなく、舞台の基本情報や二藤の役に対する苦悩、過去のトラウマも交えて、物語は進行します。
演出家や俳優達の苦悩を描きながらも、そこには楽しさや生き生きさも伝わってきて、切磋琢磨する姿にみんな輝いて見えました。自分も演劇を経験したことがありますが、苦難を超えての達成感は今でも忘れられません。
読んでいて、その頃の雰囲気がよみがえってきました。
いじめといった陰の要素はありますが、あまり暗い雰囲気ではなく、熱き青春ドラマの空気感なので、楽しく読めました。
所々、無理矢理感はある印象でしたが、舞台にかける情熱や友情が伝わってきて、最後は清々しい気持ちにさせてくれました。
プロ集団で作り上げた舞台。実際にあったならば、どんな作品になったのか見てみたいなと思いました。 -
天王寺さん好きだなあ