- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591176139
作品紹介・あらすじ
人生の最後に、向き合いたい思い出は何ですか。
隣人の終活を手伝うことになった阿紗。
自分にとって、本当に必要なものを見つけ出す「片付け」小説。
隣の部屋に住む老婆・八重を助けたことがきっかけで、彼女の部屋の片づけを手伝うことになった阿紗。過去に生活雑貨店で働いていた経験から得た掃除のテクニックを八重に教えながら、彼女の部屋の片づけを始める。
片づけるうちに明らかになる八重の過去。そして阿紗も、幼少期の荒れ果てた部屋の記憶が蘇ってくるーー。
自分に必要なもの、いらないもの、欲しかったもの、嫌だったもの。
思い出や物と向き合う中で、二人が選んだ道とはーー。
感想・レビュー・書評
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読みたかった本。読みやすくて一気に読んだ。
片付けるということは選ぶということ。
自分の今を見つめて未来を考えること。
阿紗さんと八重さん。
2人は出会って良かった。
そして本を読みながら思わず掃除、片付けがしたくなる。
とても素敵な本だった。 -
ただの片付けの本ではなかった
物理的な片付けと人間関係の片付け
2人がどんどん変わっていくところがおもしろかった
八重さんは、脳内で夏木マリさんの湯婆婆の声で再生された
最後泣きました -
雨でずぶ濡れで赤の他人の隣の老人が、鍵をなくして、主人公の部屋に突然上がり込んで来た。しかも、お世話になったにも関わらず、信じられない上からの物言いで悪態をつきまくる老人。
その後、なぜかその老人のゴミ屋敷状態の部屋の片付けをする事になり、親しくなっていくという話し。
最後まで上からで悪態ばかりつき、全く魅力が感じられない老人にイライラさせられた。
そんな老人に、主人公が心を許していくというのが、何とも全く共感できなかった。 -
成り行きとはいえ、ゴミ屋敷を無償で整理するなんてありえない‼︎絶対できない‼︎
おまけに住人が上から目線の老人なんて。
関わりたくないわ。
※整理整頓は苦手です。「いる」「いらない」で分けきれない物も多いんですよね。
「迷い箱」って言うのを用意して整理するんですけど、一番いっぱいになっちゃう(笑)
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すてきな終活だった
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とても落ち着く話だった。主人公は40歳前の一人暮らしの女性。幼少期に母親から愛されなかった痛みをスルーして心に穴が空いてしまっている。お隣に住む70代女性も訳ありで汚部屋に住んでいる。ある事がきっかけでお隣さんの終活を手伝うこととなる。それにより主人公の心の穴が埋まるわけではないが、向き合えるようになっていく。誰しもが少なからず抱えている色んな傷を、いずれ主人公のように向き合えれば、ちょっとでも生きやすくなるのではないかなと思えた。
越智月子さんの小説は初めて読んだが、他のも読んでみたくなった。 -
阿沙は、ある日隣人の意固地な老女と顔見知りになる。
そのことが、お互いにとって、とても大切なことになっていく。
各々が抱えてきたことも整理、浄化されていくような。
片付けは単に物を捨てたり収納したりすることではないんだなと気付かされる。
片づけは片をつけること。
自分の持ち物を自分の中の価値により取捨選択し、整理していくことで、自分の人生の片をつけていく、自分の生き方に繋がっていくような気がした。
阿沙の恋愛も出てくるけれど無理な展開ではなくて、良かった。
私も同じようなやり方で無性に自分の持ち物を片づけていきたい。
普段いる場所は今月中にやりきりたいとうずうずしている。 -
隣人の高齢女性を助けたことがきっかけで
彼女の部屋の片づけを手伝うことになり
片づけを通して自分自身と向き合う話。
とても読みやすくほっこりするお話でした。
個人的には主人公の恋愛の部分が…
一度手助けされただけの人にそこまで妄想する?
その後も何もないのに勝手に怒ったり逃げ出したり…思い込みが激しくてちょっとこわかった。