贄姫と獣の王 8 (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592215486

作品紹介・あらすじ

親衛隊長のラントベルトと共にマースヤ慰問の任につくことになったサリフィ。親衛隊長らしからぬ言動と行動を取る彼に振り回される一同だったが、サリフィだけはその言葉を信じていて…? そんな折、領主のブラウン卿が何者かに襲われ、その疑いがラントベルトに向けられ…!? そして長い間離れていたレオンハートに久々に会ったサリフィは…?
2018年7月刊。

感想・レビュー・書評

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  • 幼い頃の経験から他者を信じられなくなっていたラント。第7巻の時点でサリフィの純粋な想いに早くもデレの兆候を見せ始めていた彼。第8巻でも変わらず、というよりむしろはっきりとサリフィは彼への信頼を口にするようになる
    そりゃここまで信じてもらって自分のために東奔西走してくれたというのなら、どんな捻くれ者だって陥落してしまうというもの

    そして捻くれ者であるはずのラントがサリフィへの忠義を明確にしたことで王様が嫉妬を……!
    その裏ではアミトとテトラの後押しを受けたサリフィが(彼女にしては)大胆な姿で寝室で待ち受けることに。そんな両者の想いが合わさった結果の閨はとても素晴らしい光景でしたよ

    久しぶりのイリヤ登場。魔族の国が舞台となる本作に於いて人間でありながらサリフィと強い繋がりを持つイリヤは美味しいポジションに居るはずなんだけど、なかなか登場の機会に恵まれないな
    サリフィを通して魔族への見方をほんの少しだけ変えたイリヤ。今回の話はそこで得た見識を更に深める話だったように思う。魔族の中にも優しい心を持ったものが居ることを認められたイリヤ。少しずつ魔族がどのようなものか知っていく彼がサリフィと再会できるのは何時になるのかな?

    それにしてもサリフィの意外な技能と言うか、魔族よりも人間が優れている部分がこのような形で示されるとは思わなかったな
    この技能が後々サリフィが魔族たちから信頼されていく一因になったりするんだろうか?

  • 面白かった♪ラントが忠誠を誓うのも、王様が嫉妬するのも、イリヤの再登場も(o´艸`)

  • ▶episode.42~47

  • 親衛隊長のラントベルトと共にマースヤ慰問の任につくことになったサリフィ。親衛隊長らしからぬ言動と行動を取る彼に振り回される一同だったが、サリフィだけはその言葉を信じていて…? そんな折、領主のブラウン卿が何者かに襲われ、その疑いがラントベルトに向けられ…!? そして長い間離れていたレオンハートに久々に会ったサリフィは…?

  • ラントが親衛隊長に正式に任命されて、王様がラントに嫉妬して、テトラちゃんがいい感じに振り回してくれて、もうなんかLoveLove

  • 友藤先生に、一片の悪意もないのは承知なんだが、冗談抜きで、漫画読みは殺されそうになるな、この『贄姫と獣の王』を読むと
    内藤泰弘先生の『血界戦線』も、新刊が出る度に、「また成長してるよ、この先生ッッ」と戦慄しまくっているんだが、この作品も同じくらい、ブルブルする
    世には、「本物」と評しても差し支えない、中身のある少女漫画があるけれど、この『贄姫と獣の王』は、間違いなく、トップクラス
    他の少女漫画をバカにする気は微塵もないが、正直なとこ、この『贄姫と獣の王』と真っ向から組み合って、単純な力の勝負が出来るのは、『かわいいひと』(斉藤けん)くらいか、私の手持ちだと
    『僕と君の大切な話』(ろびこ)や、『不思議の国の有栖川さん』(オザキアキラ)、『高嶺と花』(師走ゆき)、あと、『兄友』(赤瓦もどむ)も、「本物」の一つに数えられる作品だけど、真正面からぶつかると、砕かれるまでにはいかないにしろ、弾かれるか、後ろに下がらされる
    もちろん、私がファンタジーも好きってのは大きい
    パッと見は狂暴だけど、男としても王としても器が大きい獣王と、可愛いけれど、危なっかしいな、と思うくらいに芯のあるヒロインが、イチャイチャしているってのは、私にとっちゃ、致命傷を貰ってしまう
    既刊にも悶えてきたが、この(8)は、今まで以上に「ぐはっ」と膝が落ちた
    友藤先生が『贄姫と獣の王』と、恐怖を抱えながらも、ちっぽけな勇気を握り締めて立ち向かってる姿が見えるほど、と言ったら、同意に頷いてくれる漫画読みもいるだろう
    大袈裟でも何でもなく、友藤先生が、倒れないか、マヂに不安だ
    この(8)は、(7)のラストで膨らんでいた期待を見事に受け止めてくれている
    領主襲撃の犯人と疑われたラントベルトだけど、サリフィだけは自分の親衛隊の隊長となった彼の無実を、何の根拠もなく信じ、彼を救うために自ら行動する
    潔白を証明してくれただけでなく、自身の誇りも守ってくれたサリフィの高潔さに、ラントベルトの心には、真なる忠誠心が生まれる
    ここに誕生した、サリフィの為に、己の命と誇りを懸けられる、勇ましき騎士が
    そんな事件を乗り越え、国と愛しい人の元へ戻ってきたサリフィ
    レオと久しぶりに会うってことで、サリフィはドキドキしっぱなしなのだが、心に小波を起こされていたのは、レオも同じ
    サリフィを守ってくれる騎士がいるのは心強い、と思いながらも、レオはサリフィと距離の近いラントベルトに嫉妬心を覚えてしまう
    立派な王であるレオだけど、好きな女の前じゃ、弱い部分も晒しちゃう、一人の男なんだな、と妙な安堵を覚えてしまった
    相手の特別な存在になりたい、と願うだけでなく、その思いを叶えるために、自分がすべき事を熟そうと頑張る二人の姿は、目の奥が痛むほどに眩しい
    恋の嵐が、読み手の心に溜まった澱を一気に吹き飛ばしてくれた一方で、風は一人の男の視界も晴らしたようだ
    ここで、イリヤがメインの話を持ってきたトコに、この(8)で、最も、友藤先生の成長を感じた、私は
    単なる恋愛ドラマだけではなく、種族間の、感情で作られてしまう事も、取り除く事も出来る隔たりにスポットライトを当てる、並みの漫画家には出来ない
    こんな風に感情の変化が起きるのは、漫画だからだ、現実は簡単じゃない、と言う人もいるだろうけれど、私はこういう甘い事が現実でも、人の努力で起こせるはずだろうよ、と言い返したい
    何かを憎まなきゃ、生きていけない人がいるのも承知している
    だけど、憎しみで、自分も他人も傷つけ続ける生き方は、何も得られず、何も生まず、誰とも繋がれない
    憎しみの種が、血や涙を浴び、死や恨みを養分にして咲かす花は、おぞましいだけだ
    人は、手に持っている剣や銃を捨てれば、誰かの手を握る事が出来るのだ
    大切なのは、「〇〇は××だ」と決めつけず、個人の良さを見つけ、自分の負の感情と一緒に、相手の好意も受け止めてみることなんだろう
    「ありがとう」を言わず、言われない人生は寂しいよ、うん
    この台詞を引用に選んだのは、ラントベルトの「サリフィの騎士」として戦う覚悟が視えたので
    きっと、彼がレオ相手に、ここまでの啖呵を切れたのも、隊の長に立つ者としての在り方を、テイリンに説かれていたからだろうな
    テイリンの言葉が、ラントベルトの心に変化を与えたのも、やっぱり、サリフィの気持ちが届いていたから
    彼らが再会し、共に戦う所にワクワクしたいものである

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