商店街のあゆみ (楽園コミックス)

著者 :
  • 白泉社
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本棚登録 : 245
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592712312

作品紹介・あらすじ

「楽園」からの9冊目のpanpanya作品集。表題作はじめ「家の家」「幕間」「うるう町」「正しいおにぎりの開け方」「ビルディング」「ここはどこでしょうの旅」6~10など生活空間の細部までが愛おしくなる16篇。日記も併収。2023年11月刊

感想・レビュー・書評

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  • すごいゆっくりとじんわりと面白い。
    panpanyaさんずっと気になっていたけど手を出していなくて、今回商店街という題名にひかれて購入してみた。

    絵は素朴なんだけど描写が細かいところはとても細かくじっくりと眺めて読んだ。

    内容は簡単にいうとシュールかな。でも現実的な部分もあり空想と現実がまじりあって読んでいると不思議な感じになる。でも空想っぽい世界観も読んでいるとこんなことあるんじゃない実際に、と思う部分もあって読後感が複雑で面白かった。題名にある「商店街のあゆみ」なんて、そっちかい!とがくってなったけど、なさそうだけどありそうと目の付け所に笑ってしまった。

    ここはどこでしょうの旅⑥から⑩と漫画の間にあるpanpanyaさんのエッセイのような文章がとても面白くじっくりと読んだ。満足のいく読書だった(漫画だけど)。

  • ■商店街のあゆみ(2023年11月)10冊目
    家の家
    ここはどこでしょうの旅6
    蓋然
    スーパーハウス
    ここはどこでしょうの旅7
    たのしい不動産
    うるう町
    正しいおにぎりの開け方
    ここはどこでしょうの旅8
    幕間
    奇跡
    ここはどこでしょうの旅9
    ビルディング
    ここはどこでしょうの旅10
    累々漠々
    商店街のあゆみ
    (解題)

    なんと10年目にして10冊目。
    だからといって変に区切りをつけず日常生活。
    そこがpanpanyaさん。
    特に「ここはどこでしょうの旅」が回を重ねるごとにのびのびとしてくる。
    個人的に好きなのは「ビルディング」の「ビルの芽」。
    その発想。

  • この作品の雰囲気をなんと表現すればいいのだろう?
    日本の残して欲しい文化風土を切り取っているのかな?
    日本だけにこだわっているわけではないですね。「ここはどこでしょうの旅」という短編では日本以外の国も登場していますね。このシリーズも好きです。
    この作家さんの作品を書店で見かけたらきっと購入するのだろうなぁ。

  • panpanyaワールドを堪能した。
    今回も素敵な装丁。カバーを外すと外壁(いや、天井?それとも床?床下収納があるような)で、凸凹が感じられる。下に通風口があり、ここもちゃんと凸凹していて、ネジの頭が凹んでいるのも嬉しい。

    生き物でないものが、生き物のように成長する話が面白い。
    昔の漫才に「地下鉄はどこから入れたんでしょうね」というのがあったが、テトラポッドはどこから持ってきたんでしょうね、というのも確かにあるよな、と改めてpanpanyaさんの着想の素晴らしさを感じる。納得させられそうになる理論展開もいい。
    コンビニのおにぎりのシールの研究は、かつてのカステラ風蒸しケーキ研究を思い起こさせる素晴らしさ。
    panpanyaさんって、昭和にアイデンティティーを確立した世代の方(絶対手で描いてる)だと思っているけど、それ以上のことは想像できないのも魅力的。マンガを描いているとき以外は何をしているのか、気になる。
    今回は新キャラ?も出ていた。
    次回作も楽しみ。

  • この人の本だけは紙で揃えることにしている。

    「ここはどこでしょうの旅」
    このシリーズが好き。

    「正しいおにぎりの開け方」
    このような収集癖もあるのかと驚いた。身の回りにあるものに興味や収集の対象を見つけるとヒトは手軽に幸せに生きていけるということを学んだ。instaの中のキラキラした世界とは真逆。

    「うるう町」
    今回の収録作の中での白眉ではないか。ひき込まれた作品。後味も良し。

    「商店街のあゆみ」
    タイトルから時を経て変化していく商店街の歴史に思いを馳せるような作品かと思っていたが裏切られた。そのまんまだった!

    退廃的でもなく、変な世界に連れ込まれることのない安心感がある。

  • 相変わらず視点が面白すぎる。panpanya先生の描く物語って、やっぱり「変な夢」というイメージを連想させる。かつて「寝入りばなに見る夢」と表現されていた気がするけれども、まさにって言う感じ。明らかに夢なのに、夢の中ではそれが夢だと気づかない。当たり前のように受け入れている。あるいは、曖昧になった記憶。混濁した記憶。ナンバーガール、向井秀徳の歌詞に「記憶探しの旅ばかり しかしいつしかそれは妄想に変わっていく」という一節があるけど、それに近いかもしれない。小学生の頃の曖昧な思い出に輪郭をつけるような感覚。迷い線だらけの映像から、一本を選び取るような。そんな感じだ。

  • 今回も面白かった 唯一無二の作風、癒しだ
    ジオゲッサーというGoogleマップを使った位置当てゲームがあるけれど、あれも得意なんだろうな 「うるう町」は想像を越えるオチで特に良かった

  • ふんわりした登場人物と、濃密な建物や、風景が入り混じってる絵がとても好きだ。
    人物より、景色や、家、建物が主役になっている。
    日常でふと見る景色から着想されていると思われる、変な短編は、読み手には逆に物語の元となった景色のほうを想起させるようで、過去に見た日常の風景と結びついて、読んでいてノスタルジックな気持ちになる。

  • 最新刊もやっぱり最高。商店街の「あゆみ」ってそっちか。このユーモアセンス、ほんと好き。

  • 相変わらずの独特な世界観。
    漫画を読むというよりは、日常にあるものにそんな視点や想像があったのかと、アートに触れるような作品。

    「うるう町」や「ビルの芽」という発想に驚き。
    コンビニおにぎりのラベルの話で現実に戻りつつ、ラベルを剥がすための大手三社の傾向と対策で、結局見えてる世界の違いを感じた。

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著者プロフィール

漫画家。作品集『模型の町』『魚社会』(白泉社刊)ほか。ホームページ https://www.panpanya.com/

「2023年 『代わりに読む人1 創刊号 特集:矛盾』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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