- Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592763000
作品紹介・あらすじ
MOE絵本屋さん大賞2020第1位を受賞した『あつかったら ぬげばいい』の姉妹編が登場!
歌手になりたいと願う女の子、自分が何に向いているかわかったおじいちゃん、朝顔の花が咲いたのを発見した男の子…。
こんな時代だからこそ、日常に小さな希望を見つけたい。
どこかのページに、あなたがいるかもしれません。
子どもだけでなく、大人も何度も開きたくなる絵本です。
2022年4月刊
感想・レビュー・書評
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#ヨシタケシンスケさんの最新絵本『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』。
本来の目的は達成できなくても(こんなにできないわたしでも)でも、他にはこんなにいいことがありましたというような絵本です。
「とっても ステキな ともだちが できたの」
「そのばしょで めざしていたことは かたちに ならなかったけど」
宝物ですね。ともだちは。
「だれにも まけない ステキな おもいでが あるの」
「いっしょに うつっている ひとは もういないけど」
絵と合わせて読むと泣けます。
「じぶんが なにに むいているか わかったの」
「40ねんかん やってきたことは なんにも かんけいなかったけど」
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なるほどなるほど、な感じ。
どちらかと言うと大人向け絵本のような…。
逆読みしたほうが気持ちいいかも…。
特に気に入ったものを4つほど
なにがどうよくなるのかぜんぜんイメージできないけれど
おみくじで大吉がでたの
第一希望じゃないけれど
ほしいものがてにはいったの
40ねんかんやってきたこととはなんにもかんけいなかったけど
じぶんがなににむいてるかわかったの
にがてなひとはやっぱりにがてだったけど
ミカンのいろがすごくきれいでなんだかすくわれたの
なるほど逆のほうがいいってなるよなぁ。
おさまりがいい。
…と思った。
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世のなかとか人生とか
あれやこれや。
どこをどのように切り
取っても、
悪いこともあれば良い
こともありますよね。
つい悪いことにばかり
目が行きがちですが、
良いことにもしっかり
目を向けていきましょ。 -
この作品には、こどもやその親だけでなくあらゆる年代の人たちが登場するのでちょっと目新しいと思えました。今はこうだけど、こうなりたい!とか、逆に前はこうだったけど、今はこんな風になった…とか…左ページと右ページで同じ人物が描かれています。
サクッと読んじゃいましたが、じっくり読み込みたいです。素敵な思い出ができたのに、一緒に過ごしてくれたひとはいないけど…って、ちょっとさみしいかなって感じたんだけれど、みなさんのレビューを読んでいて、そうか、逆読みっ!してみなきゃって思いました(^^) -
ヨシタケシンスケさんの絵本、初めて読みましたが、老若男女全てを対象にしたような印象で、どこか一つは、「ああ、分かる、分かる」といった感の得られる、ポジティブな作品だと思いました。
人生って、時に理不尽で、嫌なことばかり起こっているように感じられがちで、嬉しかった事も、よくよく思い出せばあるはずなのに、その印象が薄れてしまうのは何故なんだろうか?
おそらく、人はネガティブになりたいわけではなくて、未来に対してや、周りの価値観と比較してしまうことによる不安感が強いからなのではと思い、私もつい、いつまでもくよくよと思い出しては、嫌な気分になって悶々としてしまう事が、かつては、よくありました。
ただ、今はやりたい事や楽しい事を実感できることが多くなったので、割と悶々としても、長期間では無くなった気がします。
そんな私の実体験を踏まえて、本書を読んでいると、『毎日辛くて嫌なことばかりだと思っていても、実はそうでないこともあるでしょ?』といったことを実感し、「ツルッとゆでたまごがむけたとき」や、「冷蔵庫にプリンが入っている」等の、ささやかな中にこそ喜びがあることに、共感を覚えたり、「やりたい事をするのに、躊躇う理由はないでしょ?」といった、私は私のままでいいんだということも、教えてくれました。
しかし、それらの反面に書かれている内容には、割とシビアなものも含まれており、改めて人生の不条理さや無常さも密かに教えてくれる点には、物凄く共感を覚える人と、そうでない人とに分かれるかもしれませんが、この辺りは、あくまで、それぞれの価値観の問題だと思いまして、私も一つだけ、「きれいなものが なにか だんだん わかってきたの」の反面に書かれていた内容には、疑問を感じ、腑に落ちないものがありました。
いずれにしても、「なんで、自分ばかりが、こんな辛い目に合うんだろう?」と、日頃、感じてらっしゃる方に、読んで欲しい作品だと思います。 -
『あつかったらぬげばいい』の姉妹本。見開きで完結するのでテンポよく読めます。
個人的には『あつかったら〜』のほうが好きです。
クスリと笑えたり、切なくなったりと誰もが日常生活の中で感じているモヤモヤを、小さな幸せや希望で昇華させている様子がヨシタケシンスケ作品らしいです。 -
日常の小さな喜びや未来への明るい希望と、現実のちょっぴりせつない自分の状況を対比させた形式の絵本。少し悲しいことが見開き右半分に描かれている場面もあるが、ユーモアあふれる絵と文章でほのぼのとした印象にしていて素晴らしい。