- Amazon.co.jp ・マンガ (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592886860
感想・レビュー・書評
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全編通して、自分の事は自分がよく知っている、自分だけが自分を愛していると思い込んでいる人間に対する皮肉に満ちている気がする。あの頃、友達は『はみだしっ子』の世界に夢中だったが、私はハマらなかった口だった。悲劇を喜劇に変換し、独自の世界に飛び立って行く登場人物たちの表現に自己陶酔と言う言葉を見ていたからかもしれない。作者の独特な表現方法に馴染めなかったのだ。その感触はこの作者最後の短編集を読んでも変わらなかったが(アダルトチルドレンと言うものがどう言うものであるのか、理解できて無かったんだろう)『はみだしっ子』を今だから読み返したいと思った。
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母と子の葛藤…怖いくらいリアル。
短編集なのに、凄い濃さは、やっぱり三原順!
で…巻末で、亡くなった事を知り、文庫化された本を買い漁った。
もっともっと新作を読みたかったよ〜 -
表題作他、
「ベンジャミンを追って」
「彼女に翼を」
「帽子物語」 -
これを読んで初めて毒親という存在を認知したかもしれない。ネグレクトや虐待などハッキリした名称意外の、害のある家族ってあるんだなと知った。
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短編集。表題作のテーマは、(セラピストへの批判と)「人は分かり合えない(こともある)。」だろうか。
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まんが
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親がよかれと思ってやってくれるのは分かるのだけれど、それが子供にとっては、苦痛で迷惑で自分を信じてもらえていないんだという口惜しさや歯がゆさとなることは多々ある。
もっと子供を信じてあげて欲しいと思う内に、自分も大人になってしまった・・・
自分がイヤだった事をしないようにしないように・・・ -
生前、最後の短編集。
彼女の頂点。
表題作は、ちょっとオチは見えていたかなぁと思います。
でも、どうすりゃいいねんと思いますよねぇ。そして、それをずっと考えてきたのが、三原 順だったんだなぁと。
特に後期は、この本に書かれたような軽快な悪意が、この人の中で大きな問題だったのかなぁと感じました。
自分にはあまり悪意がないのに、ものすごく人を傷つける(心理的にだけではなくて、本当に生存権も脅かすほどね)こともある。
「帽子物語」と「夢の中 悪夢の中」は、まったく逆のことを書いている。
人とふれあってわかり合うためには、ぶつかっちゃうこともある。でも、ある程度それを受け入れていかないといけない。
その天秤の間で、揺れ動く。