- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593100835
作品紹介・あらすじ
おもいきって ぐっちょん! まっしろの紙に筆をおろすと、色が生まれる。立ち上がって、筆をふりまわして、手や足にも絵の具をぬって体ぜんぶで色をぬって。描くことの喜びに目覚める瞬間をみずみずしく描く。「ずういいいいいいい」「ぽたぽた」「ぺったん」など擬音語も楽しい。絵を描くことの楽しさがつまった絵本。
感想・レビュー・書評
-
いわゆる、フィンガーペインティングや、手足形アートといった、自らの身体を使って、心のままに絵を描くことの楽しさを教えてくれる絵本なのですが、それは感覚的に楽しいだけではなく、ちゃんと根拠もあるんだよといった、説得力を思わせる点に、私は斬新さを感じました。
例えば、最初に「ぐっちょん!」としてから、筆を動かしていくだけで誕生する『ギザギザのいきもの』は、それだけで蛇や竜、あるいは雄大な川の流れにも見えてくるし、筆が「もっと、もーっと おおきく!」と呼びかける描写が、描き手の女の子の気分の高鳴りを表しているように思われる中で、今度は筆をぐるぐる回している絵に、『いろがわらう』と書かれているのを見ると、確かに、様々な形の丸たちが笑っているように見えてきて、たったこれだけのことでも、絵の感情を表現出来るのだなと、改めて、絵はこうあるべきといった型なんて、無いことを実感いたしました。
また、フィンガーペインティングのように、手が筆になるシーンや、足に絵の具を塗るシーンは、その部分を思いっきり拡大して描くことで、物語にメリハリを付けるだけでなく、そこから新たな絵が生まれてくる歴史的瞬間と、それを為しているのは人間の身体の一部なんだという素晴らしさを、読み手にも是非感じて欲しいと思わせるものがあり、読み聞かせされているお子さんは、思わず、自分もやりたくなる気持ちにさせられるのではないでしょうか。
そんな絵に対するハードルを低くさせて、絵を描くことに前向きな気持ちを抱かせる本書は、明朝体の擬音も楽しい、最初から最後まで女の子の感じるままに、自らが絵の一部になったかのような躍動感に溢れたストーリーも爽快な中で、『まっしろの まんなかに いろが うまれる』や、『みんな わたしから うまれてくるんだ』といった思いには、『まずは始めてみないと、何も生まれてこない』ことを教えてくれているようでもあり、改めて、はじめの一歩を踏み出す勇気って、怖いけど大事なんだなと感じました。
それから、女の子ばかりに注目が行きがちな中、彼女の描いた、無秩序で複雑に重なり合う、混沌とした色の洪水を見事に描き上げた、「はた こうしろう」さんの、画力の素晴らしさも印象的だったことを、最後に記しておきますが、この方、この前読んだ、「はるにあえたよ」の絵も描いてるんですよね。最初、あまりに絵のタイプが違ってたので気付きませんでしたが、やはり絵描きさんは凄いですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
絵を描くって子どもの頃の私にはとてもハードルが高くて、描けなくてお腹が痛くなって早退した小1の春。
そんな頃に出会いたかったな。
感じたままにどんな風に描いたって正解なんだって事を伝えられる絵本だと思う。 -
はたこうしろうさん、
ほんとうに素敵な子育てをされているんだろうなあと、
こんな風に子どもたちと自由に遊ぶことができる人なのだろうなあと感心してしまう。
そして、この躍動感!すごい!
実際にこんな風に大きなキャンバスに描くことはできなくとも、
創造の力をもった、絵が大好きな子どもたちなら、頭の中でこんな風に描いているんだろえなぁ。
素敵です -
絵の具を使って筆でずういいいいいい、ぐるぐるぐる、ぽたぽたぽた。今度は手を使ってしゅりゅううう
色鮮やかな絵本。こんなふうに絵を描いてみたい、という気持ちになります。 -
えのぐのぐにゅーとした触感やひんやりとした感じ
ぽたぽたとしたたるみずみずしさ
厚く塗って、ひっかく
などなど自由に絵の具をぬって表現することの楽しさが伝わる
絵は、たのしんで描いていい、というシンプルなあたりまえのメッセージが、ストレートにつたわる
それにしても、はたこうしろうさん、絵がうまいなあとつくづく思う -
読了
-
2023.10.5 3-3
-
自由な感じが好き
-
女の子が楽しそうに絵を描く姿がいい
2021絵本50 -
子供の食いつきは、あまり。