- Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593533633
作品紹介・あらすじ
1962年、農薬の複合汚染を警告したカーソンの『沈黙の春』は、大論争を巻き起こした。エコロジーと自然保護を初めて関連づけて、環境汚染を告発した彼女は、また優れた海洋科学者の草分けでもあった。文学と科学を結びつけ、"自然の修道女"とよばれたカーソンの清廉な生涯を綴る。
感想・レビュー・書評
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人が自然の一部であること、その自然を汚すことは我々自身を汚すこと。『沈黙の春』を生んだカーソンの生い立ちと海洋科学者としての足跡を追う。たった一人でも社会に向けて発信し続けることはできるだろうか。誹謗や中傷にも耐えて自らの意志を貫いていけるだろうか。何か読んでいるうちにカーソンの声が聞こえてきそうだ。
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環境問題を語る上で欠くことのできない名著『沈黙の春』の著者レイチェル・カーソンの生涯を、青少年向けに綴ったもの。写真が豊富に掲載されており、当時の社会状況がよく理解できるストーリー展開となっている。母親との深い絆や家族のこと、自分の目標に向かって、ひたむきに勉学に励む学生時代のこと、女性が社会進出する以前の時代背景の中で、苦労して就職するまでの道のり、そして海洋生物学者でありながら、自ら天職とも語っている文筆家として『沈黙の春』を著すまでの生涯が、青少年向けであるだけに、非常にわかりやすく描かれている
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センス・オブ・ワンダーで大好きなレイチェルカーソンの伝記。
その人のルーツはどこにあるのか、育った環境(学校教育含め、親の存在、環境)がその人の生き方の方向性を決めるし、キャリア教育コーディネーターとしてはそこが気になってしまう。
彼女の場合は、自然環境へのまなざしは母親からもらったものだったんだな。生きとし生けるもの、全て、食う、食われるの関係にあるということを教えてくれたのは母親。
環境は人間が支配するものだという考えが一般的であり、
それに警鐘を鳴らす人はいなかった。彼女が記した、「沈黙の春」がきっかけとなって、社会論争を巻き起こし、環境保護を進めることになった。人間が自然を支配しようとして、使う農薬や化学物質はいつしか、生態系の中に取り込まれ、人間が最も被害をこうむる。1960年代に彼女が伝えたことは、今もその問題は変わらない。著書の中で伝えたことはあまりにも、先進的だったけど、今では一般的な考え方。
農薬の会社、薬品の会社が彼女を批判し、それに対して、大きなストレスを受けたまま亡くなった。
それって今も聞く話だよなぁ。。。
結局、産業界の大きな力で世の中動いていて、都合のよいところで、環境保全をして、問題の深刻さ、環境に対して、人間が与える負荷はあんまり変わらないのかもしれない。
それは沈黙の春の時から変わらないのかも。