- Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594014568
作品紹介・あらすじ
モーリス、きみを愛している-親友クライヴの言葉が、平凡な青年モーリスの人生を大きく変えた。やがて訪れたクライヴとの別離、理想の愛を求める彷徨、そして生涯の恋人アレクとの出会い…同性愛への偏見に満ちた20世紀初頭のイギリスを舞台に、同性愛者として生きることを選んだひとりの青年の魂の遍歴を、イギリス文学の巨匠フォースターが詩情豊かに描く、その衝撃的な内容ゆえに著者の死後まで発表されず、その後ジェイムズ・アイヴォリー監督の手で映画化されて一躍脚光を浴びた幻の名作、待望の改訳決定版。
感想・レビュー・書評
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他の訳はちゃんと読んでないけども、この片岡しのぶ訳は超オススメ!特にアレクの台詞の訳が秀逸で、モーリスより年下かつ階級も下の彼の生意気で荒削りながらもちゃんと丁寧に話そうとしてる感じに萌える。もう絶版なのか新刊はなかったけど、我慢できなくて中古本買っちゃった。
ちなみに映画もとても良いよ。モーリスまじイケメンだし、アレクは可愛すぎる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画を先に観ちゃってるからな。読むかな?
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J・アイボリーによる映画化(1987年)を受けて1988年に扶桑社から出版されたものの改訳版。どうもあまり風情のない訳文で妙に堅苦しく、原典のみずみずしい空気が損なわれている。教養小説にして森のファンタジーというこの作品の特質の、前者の部分が肥大化したような印象。
フォースターの作品の中では、『インドへの道』『ハワーズ・エンド』に比べると『モーリス』は高い評価を受けていないという。作家自身が後書で明かしているようにクライヴの人物造形に揺らぎがあるし、結末が現実的でないと感じる読者もいるだろう。ただ私見ではこの物語の最大の魅力はモーリスという善良かつ真摯な主人公にある。(前半部分ではクライヴもその一翼を担う。)モーリスがチャーミングだからこそ読者は彼の苦悩に寄り添い、魂の解放をともに喜べる。このへんをもう少し心ふるえる筆致で表現してほしいのだが…。
2014年11月現在本書は絶版。一日も早く新訳の出ることを願っている。それとできれば「E・M・フォースター全集」も。 -
モロッコ、マラケシュなどを舞台とした作品です。
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幼年時代は、「普通」が自分と離れていることが悲しく苦しかった。少年期からクライヴと出会うまでは、自分を埋没させながら生きていた。クライヴと出会ってから彼と破局するまでは、嫌な奴で、混乱していて、気に入らないものには冷淡だった。クライヴとの破局後からアレクと出会うまでは、社会的安定のために自分の心を踏みにじろうとした。そしてアレクと、地位や財産をすべて捨て、恋人との生活を選んだ。
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映画を観て、原作を読んだ。逆の方が映画をもっと楽しめたかも。
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<i>Maurice</i>の翻訳本。時折、原作とは違った訳になるのが不満ではあるが、登場人物の口調などがなかなかツボにくる。