- Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594029937
作品紹介・あらすじ
私、椎名耕助は、大学の同僚・乙骨三四郎とともに避暑を兼ねて信州へ旅行することになった。だが、N湖畔に立つ鵜藤家の一室を借りた私たちが、そこで恐るべき殺人事件に巻き込まれることになろうとは!「悪」そのものを結晶化したような美少年・真珠郎。「血の雨が降る」と不気味な予言を口にする謎の老婆。巨匠・横溝正史が耽美的作風の頂点を極めた戦前の代表長篇『真珠郎』登場!他に由利・三津木コンビが活躍する「蜘蛛と百合」「薔薇と鬱金香」「首吊船」「焙烙の刑」の四篇を収録した怪奇ミステリ傑作選。
感想・レビュー・書評
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禍々しさやおどろおどろしさ(猟奇)を味わいたい。先に読んだ乱歩の創元推理文庫版『孤島の鬼』は挿絵の効力も大きくその願望によく応えてくれたが本書収録作はどれも味気ないものばかりであった。
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由利先生シリーズは長編では「蝶々殺人事件」ぐらいしか読んだことなかったけど、これは昔古谷一行金田一の毎日放送「横溝正史シリーズ」でのドラマが良く出来ていて怖かった。真珠郎役が女性だったんだけど、「原作には金田一耕助は登場しませんが、原作者の了承を得た上で脚色しました」とかお断りが出てた。あれを越える映像化はないだろうなあ。
初単行本に付いていた江戸川乱歩の序文、装丁を担当した水谷準のことば、自序、巻末のエッセイ「私の探偵小説論」も採録されていてお得感あり。短編「蜘蛛と百合」「首吊船」「薔薇と鬱金香」「焙烙の刑」も良かった。どれもタイトルが横溝美学炸裂って感じでたまらない。表紙は角川文庫版に負けてるのは仕方ないか? -
『真珠郎』を読みました。
横溝正史は独特の世界観があって好きです。
奇怪な設定や舞台が置かれるのに、最終的には人間の話を描く作家だと思いました。魅力。 -
横溝正史といえば金田一シリーズと思われがちですが、より横溝らしい雰囲気が出ているのは由利先生シリーズの方だと思います。乱歩にも通じるような、妖しい耽美な感じが癖になります。
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謎解きよりも、おどろおどろしく絢爛な「横溝節」を楽しむための一冊だと思います。
その趣旨において、めちゃめちゃ大スキですv -
09/09/24
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あ、No Imageなんだ、悔しいな(笑)。
まあそれは置いといて、初めて読みました横溝正史。金田一でお馴染みですがこちらの短編集には金田一は一切出てこず、由利・三津木コンビの活躍が中心。この世のものとは思えない殺人美少年・真珠郎、不気味な予言をする老婆、湖畔に住む聡明で美しい姪などなど、表題作の耽美っぷりにはぞくぞくします。「薔薇と鬱金香」も好き。