生活保護が危ない‾最後のセーフティーネットはいま‾ (扶桑社新書 33)

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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594057459

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  • 生活保護が危ない
     ~「最後のセーフティーネット」はいま~
    2008年9月1日発行
    著 者:産経新聞大阪社会部
    発行者:山本泰夫
    発 行:株式会社 産経新聞出版
    ISBN:978-4-594-05745-9 C0295

  • 2008年の本ですが、最近何かと話題な生活保護の問題点を浮き彫りに。
    組織的な不正受給に限らず、様々に内包している問題があるのだなと実感しました。

    詳細は本書に譲るとして、ふと頭に浮かんだのは、、
    古代ローマ時代の「パンとサーカス」と揶揄されるシステム。

    実態はあくまで「飢え死にしない」レベルだったようですので、
    揶揄されているような不労収入といえる程のモノではなかったようですが。

    確か、制度疲労についての記述もなされていたはずですので、
    久々に、塩野さんの「ローマ人の物語」を読み返してみようかな。

    ん、もらうことを当たり前と思い、不労収入を当然の権利と思う、
    受給者には不思議と特定な外国籍の方も多いそうですが、それはさておき、、

    なんにせよ、自立を促すための制度が、反対にソレを阻害してるとしたら、、
    早急な制度の見直しが必要と感じます、うーん、本末転倒ですよね。。

  •  生活保護の実態を赤裸々に抉り出した本。

     そもそも生活保護(公的扶助)は憲法25条の精神に則り、自助努力だけでどうしても生活できない国民を国が無差別に救済する制度。それが、

    ・長引く不況により財源が限られる一方で、増加する受給者
    ・不正受給及び不正受給でないのに十把一絡げにバッシングを受ける人がいる実態
    ・北九州市の事例(「オニギリ食いたーい」と書き残して男性が餓死)
    ・大阪市の事例(三世代にわたり生活保護を受給することになってしまった)
    ・同じく大阪市の事例(ホームレスの自立支援センター退所者2748人のうち、就職できたのは1191人)
    ・役所の水際作戦(支給の申請用紙を配布しないなど)
    ・支給を本当に必要としている人に限って「世間体が悪い」などの理由で断る場合が多い
    ・泣く泣く水際作戦を行わざるをえないケースワーカーの戸惑
    ・生活保護以下の水準での生活者が全体の13%
    ・上記の実態にもかかわらず、実際の生活保護受給者は0.7%で、高齢者世帯が半数

    といったさまざまな要因によって制度疲労を起こしている。本当に最後のセーフティネットとして機能しているのか否かの疑問が呈示される。

     この本は2年前に書かれたが、大阪市の20人に1人が生活保護受給者となったという報道があったことを踏まえると、ここに来て事態はより深刻になっている。

     非常に世知辛い内容だが、現実に起きていること。生活保護の実態を知る導入に最適の本であろう。

  • [ 内容 ]
    「普通に暮らしていきたい」と思っていても、リストラや病など、ほんのわずかな偶然が重なれば、いつ貧困に陥ってもおかしくはない。
    貧困が身近になりつつある現在、もはや生活保護をめぐる問題は他人事ではない。
    あらゆる社会矛盾が、最後のセーフティーネットに雪崩をうって流れ込み始めたいま、雇用や年金も含めた抜本的な対策を打ち出せなければ、最後のセーフティーネットさえ守れなくなる…。

    [ 目次 ]
    第1章 あなたの隣で
    第2章 現場はいま
    第3章 保護の街
    第4章 漂流する論議、加速する現実
    第5章 再生の手がかり
    第6章 声は届くか

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 2008/12
    最後のセーフティーネットと呼ばれているが崩壊の危機にあるともされる生活保護制度。新聞社の社会部記者が多くの取材をまとめたルポタージュ。

産経新聞大阪社会部の作品

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