- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594057862
感想・レビュー・書評
-
20200819読了
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
渡部氏編纂の歴史の流れをざっと眺める形での短歌集.古代,中世はさすがの名歌が多い.近代,現代は渡部氏の好みもあると思うが,教養としての短歌がやはり陰りを見せていると思う.短歌とともに歴史を学べるのが,ユニークだった.
-
和歌と同時に歴史も学べる一冊。
百人一首も和歌もほとんどなじみなく暮らしていましたが、もう少しいろいろ読んでみたいと思いました。 -
小倉百人一首を歴史的見地から解説した本かと思って読み始めましたが、そうではなく、日本史上で重要な人物の和歌を百首集めたものでした。
和歌の説明に加えて歴史的背景もわかりやすく解説されており、一首一首がコンパクトにまとめられていながらも、情報量に満ちたものとなっています。
巻頭の著者のまえがきに「法の前の平等や、神の前の平等と言われるが、日本の歴史を貫く平等原理は和歌だと思う」と書かれており、その根拠として「和歌の前では男女の区別もなければ、貧富の格差もないから」と述べられていて、なるほどと感銘を受けました。
日本の国の始まりから、近現代の敗戦まで、長い年月を歌の解説で紹介していくおもしろいまとめ方。
秦の始皇帝が漢字を整理したことや、韓国には大仏が一つもない話、阿部仲麻呂と李白との関係など、おもしろく興味が持てます。
栄華を誇った藤原氏が天皇になろうとしなかった理由や徳川幕府が能力主義を廃止して長子相続を行ったことの長所もわかりました。
明治神宮に行くたびに明治天皇の新しい和歌が掲げられているため、(そのうちにネタ切れになるのではないか)と心配していましたが、彼は万を越える和歌を作ったということで、自分の心配は杞憂だったと知りました。
これまで、大きな流れとして歴史をとらえていましたが、まだ丸暗記の状態。
さまざまな側面からのアプローチにより、歴史を別の角度から眺められて、理解が深まりました。
古代から近現代に至るまで、人々がずっと和歌を綴ってきたという伝統に素晴らしさを感じます。
世間の要人は、たしなみとして趣味にしているとは思いますが、今では、限られた趣味人しか携わっていない和歌。
平民の自分も、やはり日本人として、始めてみたくなりました。