その昔(昭和30年代)、「ミステリーゾーン」や「ヒッチコック劇場」といったTVドラマを観ていた人には懐かしいかも知れない。
実際、その時期脚本を提供していた作家たちの作品をよりすぐったアンソロジーである。
今なら「世にも奇妙な物語」が好きな人ならハマるはず。不思議な話が好きな人にはおすすめ。
どんでん返し的結末を予想して読むと少し違うかも知れない。
どちらかと言うと、読後に渇いた笑いといったものを誘う。
短編というのは、そそくさと読み急いだのでは楽しみが半減する。
行間を読む、書かれていないことを頭で補うように読むことでお話がより一層おもしろくなる。
なので、「あれっ」と思って最終行まで来てしまって、「ん?」と思って何度も読みなおしてみることが多い。登場人物の名前もうろ覚えのまま突然お話が終わってしまうのだ。
読み直して「そういうことか!」と理解ってニンマリする。
ドラマだったら、状況や人物の表情しぐさから得た情報などでわかってしまう事も、読むとなるとかなりの集中力が必要。それが短編集なのだと思う。