新日本人道 この世界の荒波を私たちはどう生きるか ロシア滞在28年で考えた日本復活への7つの指針

著者 :
  • 扶桑社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594084011

作品紹介・あらすじ

この本は、
「日本の復活を願う人」
のために書かれました。
日本の復活を願いながらも、
「自分は何をしたらいいか分からない人」
のために。

この本には、「日本の復活を願う人」への「指針」が記されています。
指針には、二つの種類があります。

一つ目は、「主権者」としての指針です。
私たちは日本国の主権者なので、日本を繁栄させるリーダーを選ばなければならない。
そのための考え方を記しています。
 
二つ目は、「個人」としての指針です。
私たちが、健康で幸せで豊かに生きることが、「日本復活」の第一歩になります。
結局、日本国は、多くの個人が集まって創られているのですから。
 
私は、なぜこの本を書くことにしたのでしょうか?
2018年11月、私は28年住んだモスクワから日本に引き上げてきました。
アッという間に1年が過ぎ、私は久しぶりの祖国で幸せに暮らしています。
日本は、安全で、清潔で、自然が美しい。
近所の人、仕事でかかわる人、幼稚園のスタッフ、
学校の先生、買い物に行って出会う人たち、
すべての人たちが誠実で親切です。
 
しかし、数字を見ると、日本の違う姿も見えてきました。
一番わかりやすいのは、国民の豊かさを示すといわれる「一人当たりGDP」でしょう。
2000年時点で世界2位でしたが、2018年には、なんと26位まで下がっている。
「世の中、金がすべてじゃないでしょう。幸せならいいのでは?」
ところが、日本人は、「幸せ」でもないみたいなのです。……


日本の新時代をひらく7つの指針
第1の掟 「和の世界」を創れ
第2の掟 知性によって日本を自立国家へと導け
第3の掟 「理想を目指す」現実主義者であれ
第4の掟 日本の「真の国益」は何かを常に考え行動せよ
第5の掟 常に「大戦略」の視点から物事を見よ
第6の掟 日本を愛し、他国・他民族への尊敬の念を忘れるな
第7の掟 言葉と行動によって日本の名声を高めよ

感想・レビュー・書評

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  • 令和4年のGW後半の中日、天気も良くどこかへ出かけようかと思いましたが部屋の大掃除が途中でもあり、読み終わった本の整理をすることにしました。レビューを書きたい本が50冊以上部屋の片隅にありますが、半分を目標にしたいと思います。従って、付箋をつけた箇所全てを書いていると処理しきれないので、各々10箇所程度に絞ることにしました。

    以下は気になったポイントです。

    ・世界を良くしたのは、自由と平等の思想である。この二つに日本の「和の思想」を付け加えれば世界はもっと良くなる。日本の現在の元号は「令和」英語訳は、Beautiful Harmony(美しい調和)である(p27)

    ・歴史の教訓から、1)日本は目標があるとき発展する、2)日本は目標を達成した、と思った時から転落し始める(p31)

    ・自立している人は「私」が決定権を持つ、依存と自立の決定的違いは、誰が決めるのかである(p39)国家の自立には5つある、精神・経済・エネルギー・食糧・軍事(p41)

    ・国際法によれば合法的な戦争は2つしかない、1)自衛戦争、反撃するのに憲法改正は不要、2)国連安保理から承認を得た場合、例としてアフガン戦争、これは911同時多発テロに対する自衛権行使とされている合法的戦争である。一方で、イラク戦争は、イラクはアメリカを攻撃していないので自衛権行使でなく、安保理でも、フランス・ロシア・中国が反対しているので違法な戦争とされている(p69)

    ・個人の真の利益とは3つの要素のバランスである、それは「仕事」「家族」「自分」であり、どれも一番大事なのでバランスを取ることが大事である(p123)

    ・日本政府の失敗、1)日露戦争勝利後に、アメリカが日本がロシアから譲渡された南満州鉄道を共同経営しようと提案されて断ったこと、2)第一次世界大戦の時、イギリスがドイツの猛攻で劣勢であった時、海軍は派遣したが陸軍の派兵要請を断ったこと。(p131)

    ・まず自分の目標=長期の目標を定めなければならない、目標が定まれば目標を達成する方法が、人生戦略となる。目標のある人とない人では長い期間で雲泥の差が出てしまうので、よく考えて目標を立てるべき(p144)

    ・あなたが付き合う個人、付き合う会社であなたの人生は決まってしまう。仲間を選ぶにあたっても、常に大戦略(人生戦略)の視点から物事を見ることを忘れないようにする。最重要目標達成に役立つ仲間と付き合った方が良い(p160)

    2022年5月4日作成

  • ・戦略を描く
    ・一発当てるではない。急いで成功ではない。ゆっくり着実に進む。
    ・長期的な視点をもつ

    国際情勢を踏まえて日本および個人の指針として述べられている。
    指針事でそこまで踏み込んだ内容でないがゆえに、刺さり度合いも程々でした。

    著者の他の本を読みたくなりました。

  • 単純な右左ではなく、中道的な理想を語る現実主義者。
    筆者と理想とするところが多い人は共感点も多いだろう。
    因みに筆者の考える個々人の人生の目標は「幸せに生きること」との考え。(だった気がする。手元に本が無いため。。。)

    大いに政治的な内容を含むため、星三つに。

  • 内容は、これまでの著作やメルマガのサマリーで、長年の読者としては特に新奇な点は無いが、サマリーが上手く、改めて骨太に物事を捉えることの重要性を感じさせられる。また、本書では、どうしても漠然とする国家戦略レベルの話に個人の戦略のアナロジーを加えることで、理解促進を努めようとしている。

    本書で推奨するななつの掟は、
    ①和の世界を創れ(調和の精神で世界を良くする)
    ②知性によって日本を自律国家に導け(精神、経済、エネルギー、食糧、軍事の自律)
    ③理想を目指す現実主義者であれ(レーガンのようにれ)
    ④日本の真の国益はなにかを常に考え行動せよ(外国のリアクションを考え、長期視点で行動)
    ⑤常に代戦略の時点から物事を見よ(平和的台頭が日本の得意戦略)
    ⑥日本を愛し、他国・他民族への尊敬の念を忘れるな
    ⑦言葉と行動によって日本の名声を高めよ

  • 一個人の日本人が、幸せになるためにできることについて。
    個人の行動が、どのように国益につながるのか。

  • いつもメルマガを拝読しているので、本の内容はメルマガのダイジェスト版みたいな感じでした。
    現実的、具体的な方策を示されていて、難しい国際問題を身近なアクションに結びつけていて良かったったです。

    マスコミの情報以外の視点が持てるようになります。学生さんから社会人までみんなが楽しめる本だと思いました。

  • 北野氏の最新作。最初の1冊目が非常に面白かったので、以後ずっと拝読させていただいているが、切れ味が薄まってきたように感じるのは慣れてきたせいか。

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著者プロフィール

国際関係アナリスト。1970年生まれ。19歳でモスクワに留学。1996年、ロシアの外交官養成機関である「モスクワ国際関係大学」(MGIMO)を、日本人として初めて卒業(政治学修士)。メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」(RPE)を創刊。アメリカや日本のメディアとは全く異なる視点から発信される情報は、高く評価されている。2018年、日本に帰国。
著書に『中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』(草思社)、『隷属国家日本の岐路』(ダイヤモンド社)、『日本人の知らないクレムリン・メソッド』(以上、集英社インターナショナル)、『日本の地政学』(小社刊)などがある。

「2022年 『黒化する世界 ――民主主義は生き残れるのか?――』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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